劇場版「鬼滅の刃」が公開3週目で“興収の伸び率が鈍化”の必然 歴史的ロケットスタートの一方、“前作超えに黄信号”が点る理由は?

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現時点ではまだ最終興収の予測は難しい。ただ、3週目でスクリーン数が戻ったことから、ある程度の大枠で考えると、200億円超えは確実、300億円も超えそう。しかし、興収400億円超えは難しい……といったあたりがぼんやりと見えてくる。

話題になっている前作超えは難しいかもしれないが、映画興行は水物であり、いつどこで何が起こるかはわからない。

前作を上回り、歴代記録更新を連発する破格のスタートとなった今作の真価が問われるのは、通常のスクリーン数に戻ったこれからだ。

特殊な状況だった前作と比較すると伸びが鈍るかもしれないが、近年の大作映画のなかでも稀に見るヒット規模であり、ロングヒットに向けた好推移になっていることは間違いない。

不死川実弥
不死川実弥(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

ここから先に風を巻き起こすポテンシャル

猗窩座
十二鬼月・上弦の参である猗窩座。強大な力を持ち、炭治郎たちの前にたちはだかる(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

振り返ると、昨年と一昨年のテレビアニメ再構築版となる劇場版『「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』、劇場版『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』は、それぞれ興収23.1億円、41.6億円を記録していた。

テレビアニメの総集編などで、ここまでのヒット規模になるタイトルはなかなかない。『鬼滅の刃』のコアファン層の厚さと、作品のポテンシャルの高さがうかがえる。

この先、来場者特典の追加などアニメ映画の販促の王道パターンが続くだろう。それに加えて、何か大きな風が吹くのではないか、という期待を持たせてくれるのが本シリーズだ。

完結への三部作の第1作となる今作はすばらしい出来だった。残り2作への注目度がひしひしと高まる一方、今作にもまだ話題作りの仕掛けがあるかもしれないと思わされる。

もう一度、公開直後のような大きな注目を集めるトピックが生まれることが期待される。

【もっと読む】「前作超えは絶対無理」と思いきや…劇場版《鬼滅の刃》がロケットスタートの背景 4日間で516万人動員!前作興収「400億円」達成のカギは? では、映画に詳しいライターの武井保之氏が、大ヒット中の映画『鬼滅の刃』最新作の展望について詳細に解説している。
武井 保之 ライター

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たけい・やすゆき / Takei Yasuyuki

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

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