富裕層に変わらぬ人気、南アの豪華列車「ブルートレイン」の車窓から"見えたもの"――バドラー付き2泊3日・32万円の旅のギャップ

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乗車料金は、2泊3日で1人あたりラグジュアリースイートが約39万円(4万6345ランド*)、デラックススイートが約32万円(3万8325ランド*)から(2025年)。*南アフリカの通貨。1ランド≒約8.4円

車内の飲食はキャビアやシャンパンなど一部の高級品を除き、ほぼすべて料金に含まれるオールインクルーシブ制だ。朝・昼・夕の食事のほか、ラウンジでのカクテルやスナック、ハイティー、途中駅キンバリーでのエクスカーション(ガイド付きの観光ツアー)も含まれている。

乗車前の生演奏セレモニーに始まり、レッドカーペットを歩いての乗車、ドレスコードありのディナー、ルームサービスなど、高級ホテルに宿泊しているかのような過ごし方ができる。

キンバレー ビッグホール
キンバリーでのエクスカーションでは、露天掘りのダイヤモンド鉱坑「ビッグホール」を訪ねる(写真:筆者撮影)

ワールド・トラベル・アワードの常連

南アフリカのブルートレインの歴史は、100年以上前までさかのぼる。

プレトリアとケープタウンを結ぶ長距離列車「ユニオン・エクスプレス(Union Express)」がスタートしたのは、1923年。1930年代には、ロイヤルブルーのカラーリングから、“ブルートレイン”と呼ばれるようになった。

第二次世界大戦中は一時運行を休止していたものの、1946年には正式に「ブルートレイン(The Blue Train)」として再開。一部区間の電化や新型車両の導入を経て、豪華さや快適さに磨きがかかり、2000年代には欧米の旅行雑誌やトラベルアワードの常連となった。

旅行業界のアカデミー賞「ワールド・トラベル・アワード」のラグジュアリートレイン賞では、過去8回世界1位に選ばれており、最新の2024年版でもノミネート。同賞のアフリカ部門では初回の2009年から17年連続1位を独占中だ。

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