鉄道旅の醍醐味は、なんといっても移り変わる車窓の風景だろう。
1日目は、プレトリアの高層ビル群や大統領府を眺め、緑いっぱいの自然保護区を抜けると、徐々にヨハネスブルクの工業地域の風景に変わる。夕方は、スコールのような雨が降ったあとに大きな虹が現れ、仕事終わりに線路を歩いて帰路に就く人たちの姿も見かけた。
“地球上でもっとも静かな場所”を通過
2日目は、カルー地方の大地をオレンジ色に染める朝日で目覚める。
南アフリカの中央部にあるカルー地方は、乾燥した大地が広がる“地球上でもっとも静かな場所”の1つと呼ばれる。ところどころ小高い丘がありつつも、どこまでも地平線が続く。
3日目にカルー地方を抜けると、景色は一変。
南アフリカワインの一大産地ワインランドに入る。ごつごつとした岩肌の山が間近に迫り、その下には一面にブドウ畑。徐々に家や交通量が増え、再び大都会に近づいていることを実感する。
大西洋沿岸を走り、世界遺産のテーブルマウンテンを眺めているうちに、終点のケープタウンに到着した。



















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