「あ、もうダメだこれ」と何度も死を覚悟…《事故発生率ナンバーワン》の自動車道「名阪国道」はどれぐらい危ない? 元営業マンが徹底解説!

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ドライバーはこの急カーブと高低差をクリアするために、約10km・10分間にわたって、アクセルとハンドル操作をこまめに続けることになる。

名阪国道の「Ωカーブ」区間。この日は助手席で撮影。次の画像では、まさに「Ω」な地図画像をご紹介(筆者撮影)

「Ωカーブ」区間では、雨が降るとタイヤが浮き上がってスリップ(いわゆる「ハイドロプレーニング現象」)、冬場は平地が温かくて油断していたら、頂上付近は冷え冷えで道路凍結、といった温度差トラップにひっかかってスリップ、何もない日でも不注意でスリップ。

とにかく、スリップ事故が多い。

名阪国道 奈良県内区間
名阪国道 奈良県内区間(国土交通省 中部地方整備局資料より)

このスリップに巻き込まれる「もらい事故」も極端に多く、走行車線側のトラックが緩やかにスリップして、安全運転していた左側のトラックを巻き込んで、相撲でいう「浴びせ倒し」のように横倒しにする瞬間を見かけたこともある。

さらに、それを見て急ブレーキを踏んだ後続のクルマが玉突き衝突、カーブで先を見通せないために後続のクルマがどんどん突っ込んで……「Ωカーブ」は、こういった多重事故が極端に発生しやすいのだ。

名阪国道 奈良県内区間
名阪国道・奈良県内区間。「路肩が狭いので、事故車の待避できない」との記載がある(国土交通省 奈良国道事務所資料より)

天候の急変も危険な要素だ

さらに、ドライバーにとって手ごわいのは「天候の急変」。山岳地帯は積乱雲がたまりやすく、平地で晴れていても、山あいはゲリラ豪雨、という事態もよく起こる。

例えば、坂道を走行中にカーテンのような雨雲が正面からこちら側にグングン迫り、間もなく視界ほぼゼロのスコールに巻き込まれるなど。こういった事象が数分で起きるため、サービスエリアに逃げ込むこともできないのだ。

名阪国道の事故発生率。事故死亡率が全国ワースト1位だ/国土交通省中部整備局資料より
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