「あ、もうダメだこれ」と何度も死を覚悟…《事故発生率ナンバーワン》の自動車道「名阪国道」はどれぐらい危ない? 元営業マンが徹底解説!
ドライバーはこの急カーブと高低差をクリアするために、約10km・10分間にわたって、アクセルとハンドル操作をこまめに続けることになる。

「Ωカーブ」区間では、雨が降るとタイヤが浮き上がってスリップ(いわゆる「ハイドロプレーニング現象」)、冬場は平地が温かくて油断していたら、頂上付近は冷え冷えで道路凍結、といった温度差トラップにひっかかってスリップ、何もない日でも不注意でスリップ。
とにかく、スリップ事故が多い。

このスリップに巻き込まれる「もらい事故」も極端に多く、走行車線側のトラックが緩やかにスリップして、安全運転していた左側のトラックを巻き込んで、相撲でいう「浴びせ倒し」のように横倒しにする瞬間を見かけたこともある。
さらに、それを見て急ブレーキを踏んだ後続のクルマが玉突き衝突、カーブで先を見通せないために後続のクルマがどんどん突っ込んで……「Ωカーブ」は、こういった多重事故が極端に発生しやすいのだ。

天候の急変も危険な要素だ
さらに、ドライバーにとって手ごわいのは「天候の急変」。山岳地帯は積乱雲がたまりやすく、平地で晴れていても、山あいはゲリラ豪雨、という事態もよく起こる。
例えば、坂道を走行中にカーテンのような雨雲が正面からこちら側にグングン迫り、間もなく視界ほぼゼロのスコールに巻き込まれるなど。こういった事象が数分で起きるため、サービスエリアに逃げ込むこともできないのだ。

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