「説明がわかりやすい」は要注意サイン。褒められているだけで終わる人が見落とす、人を動かす6つの視点

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話すべきことがある場合には、「これを話さなければ」と、伝えたいことばかりを意識してしまいがちだ。しかし、話すこと自体が目的になってしまうと、伝え終えただけで満足してしまうことになりかねない。要するに、その先の変化を見落としてしまう可能性があるのだ。

いくら完璧な説明をしても、相手が次にどう動いたらいいのか、わからなければ意味がない。その後どうしたらいいのかのイメージを持てない人は決して少なくないのだから。(39ページより)

相手に行動を促す3つのアプローチ

第3のルール 傾聴だけでは前に進まない

しばしば話題に上るように、いわゆる「傾聴」のメリットは大きい。ただし、心にとどめておくべきこともある。ただ話を聞くだけでなく、状況に応じて適切な対応をとらなければならないということだ。

傾聴することは、それ事態が目的化してしまう傾向がある。しかし当然のことながら、(忘れてしまいがちでもあるが)傾聴するという行為そのものが目的ではない。

では、どうすれば傾聴だけで終わらず、前に進むことができるのだろうか。

この点について著者は、「相手が自ら選んで動く」ことが理想だと述べている。部下がまったく動かない問題、お客様が興味を示してくれない問題など、さまざまなケースにあてはまることだという。

そして、覚えておきたいアプローチとして挙げられているのは次の3点だ。

① 示唆する
② 助言する
③ 提案する
(62ページより)

まず「①示唆する」は、気づきを促す手法。部下に「他部署のMさん、新しいやり方を取り入れて成果を出しているみたいだね」、お客様には「同業他社でも、こんな課題でお困りの方が増えているようです」などと、ヒントを当てるように話すわけだ。さりげなく事例を用いれば、相手にそれとなく気づかせることができるのである。

次の「②助言する」は、問題解決の方向性を示す手法。部下には「別の切り口で考えてみるのはどうだろう」、お客様には「この課題に関して、もうひとつの考え方があります」といった具合に、相手に考えさせる余裕を残すような疑問形や提案形の話し方をすれば効果的だということだ。

最後の「③提案する」は、助言よりも具体的な行動を促す手段。部下には「まずはここから始めてみない?」、お客様には「ご提案したいのは、こんな方法です。こちらの資料をご覧ください」など、具体的な第一歩を明確にするのである。そうすれば、相手の行動を後押しできる。

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