「説明がわかりやすい」は要注意サイン。褒められているだけで終わる人が見落とす、人を動かす6つの視点

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自分のことばが「ただわかりやすい」だけに終わるのか、それとも「相手を動かす力」になるのか――。その差は大きく、もしも後者を実現できれば、あらゆるコミュニケーションはより円滑で効果的なものになるだろう。

ところで著者によれば、「自分視点」から「相手視点」に切り替えるための6つのルールがあるのだそうだ。はたしてそれは、どのようなものなのだろう?

第1のルール 話し方には「相性」がある

著者は、話し方には「相性」があると思っているのだという。たしかに論理的なデータや事実を重視するスタイルを好む人もいれば、形式や礼儀に基づいた話し方を望む人もいる。その一方には、カジュアルでストーリー性のある話し方を好む人だって存在するに違いない。

論理的な話し方のほうが相性がいい人にとって、数値や根拠を使って話されたほうがすんなり腹落ちするかもしれない。しかし、そうでない人にとっては、頭が混乱して「とりあえず賛成しておこう」という流れになりがちだ。(31ページより)

事実、著者の友人のなかにも、「データを使って言われると、よく考えずに賛同してしまう」「間違っている気がしても、反論できない」という人は少なくないという。おそらく私もそちら側の人間で、データを駆使されると面倒くさくなってしまう……というのは性格の歪みのせいかもしれないが、いずれにしてもデータの羅列が苦手な人は“いる”のだ。

だからこそ、著者はこう主張するのである。

ついついデータを使って話すクセがある人は、気をつけよう。相手が混乱していないか、あるいは本当に理解しているかを確かめながら話を進めるべきなのだ。(32ページより)

言葉を一方通行で終わらせない

第2のルール 話したあとをイメージする

どれだけ誠実に、ていねいに、真剣にことばを尽くしたとしても、「伝えた後のイメージ」を思い浮かべなければ、伝えたいことは宙に浮いたままで終わってしまう。

仕事でも恋愛でも、家族や友人との会話においても、ただ「伝える」だけでは不十分だということ。思いを伝える際には、「相手にどう動いてほしいか」とその先の景色まで描いておかなければ、ことばは一方通行なままで終わってしまうのだ。

先日、ある経営者から新任の部長について相談を受けた。部長は熱心に部下と話し合っているというのに、部下たちの行動がまったく変わらないのだ。
「定期的に部下と話をしているのに、なぜだろう?」
と経営者は首を傾げた。部長に確認すると、確かに頻繁に部下と話をしているようだった。しかし決定的に足りないものがあった。それは“話したあとのイメージ”である。(37〜38ページより)
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