2つとも、男性側にはまったく悪気はない。逆に彼女への気遣いだったのだが、それをすべて悪い方向に受け取ってしまったのだ。
「ちょっと教養を疑います。大人の男性として恥ずかしい」
仮交際中のあきお(41歳、仮名)との初めてのデートを終えたみちえ(35歳、仮名)が、憤慨した声で連絡を入れてきた。怒りの矛先は、あきおから届いたデートのお礼メールだった。
LINEの誤字とスタンプに教養を疑う
「こんにちわ。昨日はありがとうございましたw」
その文章のあとには、おじさんがにっこり微笑みながら会釈をしているスタンプが押されていた。
何に怒っているのかといえば、「こんにちは」が正しい表記なのに、「こんにちわ」となっていたこと。そして、若者たちが(笑)の代わりに使う「w」を使っていたこと。さらに、品のないおじさんの会釈スタンプが送られてきたこと。
「私こういうの、ちょっと無理なんです……。“わ”と“は”を間違えるって、小学生ですか? wってネットスラングですよね。それに 『ありがとうございました』というお礼の後に何がおかしいのでしょうか? あと、スタンプは、センスがなさずぎます」
初デートで過ごしたときには店での雰囲気もよく、会話も普通にでき、「また来週、会いませんか?」と提案されて、彼女自身もうなずいていた。ところが一転、翌日に届いたLINEの誤字とw、おじさんスタンプで、心の温度が一気に下がってしまった。
しかし、これも過剰反応ではないだろうか。試験解答ではないのだから、「こんにちわ」でも「こんにちは」でもどちらでもいい。wを使って、何が悪いのか? おじさんのスタンプも、ユーモアと捉えたらクスッと笑ってすませればいい。
でも、彼女はそれを、「大人の常識がない」「軽い」「センスがない」と受け取っていた。
言葉の言い回し、LINEの一言、お店での立ち居振る舞い……。相手は悪意があってやっているわけではない。むしろ、その人なりの気遣いだったり、やさしさだったりすることもある。
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