「私、急かしたつもりはないんです。出張の予定がわかったら連絡をくださると言っていたのに、なんの音沙汰もない。私も週末の予定を立てたかったし、それでLINEしたら、“お急ぎですか?”って。まるで私がしつこいみたいな言われようで……」
そこで、筆者はさゆりに聞いた。
「それは受け取り方の問題ではないですか? 男性はただ、“忙しいなか、無理に予定を合わせようとしていませんか?”“もし予定が入るなら入れてください” そんな気遣いの意味を込めた一言だったかもしれませんよ」
しかし、筆者の言葉は、さゆりには届かなかったようだ。
「『お急ぎですか?』の一言で、一気にテンションが下がっちゃいました。それに、この言葉を返信したら私がどんな気持ちになるか、その想像力にも欠けている人だと思いました」
一度下がったテンションは二度と上がらず、さゆりは昼間軽くお茶をするデートを提案し、それを終えて、早々にしんいちに交際終了を出した。
なんで待てないのかな、って
みさえ(42歳、仮名)は婚活を始めて1年になる。彼女もまた、真剣交際に進むような男性に出会っていなかった。仮交際に入り、1度か2度デートをすると、必ず彼女のほうから“交際終了”を出していた。
先日も、とおる(45歳、仮名)との2度目のデートを終え、「交際終了」を筆者に告げながら、言った。
「イタリアンのお店に入ったんです。お水とメニューが運ばれてきたけど、なかなか店員さんが注文を取りに来なくて。そうしたら彼が、『僕、ちょっと言いにいってきます』と、席を立ち上がったんです。それが私、すごく嫌だった。なんで待てないのかな、って」
とおるにしてみたら、彼女を待たせたら可哀想だと思い、自分から動いたのだろう。それを「なんで我慢できないのか?」と感じ取る。
みさえには、以前こんなこともあった。ある洋食店でのこと。
「席についたら水とおしぼりが運ばれてきて、そこから全然注文を取りに来なかったんです。そうしたら、男性が、店中響き渡るような大声で『すいませーん!』って、店員さんを呼んで。居酒屋じゃあるまいし、もう本当に恥ずかしかった」
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