「便秘に悩む人」何はさておき"ぐっすり眠る"べき…《不眠》が回りまわって《便秘》につながる不思議

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例えば、嫌なことがあって脳がストレスを感じると、その情報が腸に伝わってお腹の調子が悪くなるということがありますね。でもその逆で、腸の中で悪い細菌に感染すると、脳にその情報が伝わり気持ちが不安定になるといったこともあるようです。

「腸」に働きかけて「脳」に影響を与える

今までは腸の具合が悪ければ、腸だけをターゲットにした薬を処方する、うつ症状などメンタルの不調には、抗うつ薬を処方するといった、1箇所に向けた治療法しか考えられてきませんでした。

ですが、この「脳腸相関」のシステムが科学的にも徐々に解明されてきたことによって、腸に働きかけて脳に影響を与えること、脳に働きかけて腸に影響を与えることが治療の選択肢に入ってきたのです。

腸が元気なら脳も元気。腸が不調なら脳も不調になっていく。だからこそみなさんには、腸の健康を常に気にかけ、観察してほしいと思います。

人間の体の他の器官や筋肉は、基本的には脳や脊髄からの命令が運動神経に伝わって動きます。ところが腸は、その動きを脳からの命令なしに自分で決めることもできるし、脳と連絡を取って決めることもできます。

それはなぜかというと、腸には、神経細胞がたくさん集まっているからです。その数は、何と1億個! この数は脳の次に多いのです。だから腸は、「第2の脳」と呼ばれるのです。

腸が他の器官と大きく違う部分は、ここにあります。その時その時の腸内環境によって、脳のコントロールを受ける場合もあれば、受けることなく自分で動く場合もある。体の中でも腸だけは特別扱いされているのです。

この事実が、いかに腸が人間にとって大切な器官であるかを証明していると思います。

睡眠も、腸のぜん動運動に大きな影響を与えます。

1日の中で夕方から夜は副交感神経が優位になる時間でしたね。つまり、睡眠中は基本的に副交感神経が優位な状態で、ぜん動運動がしっかり促されて消化吸収のプロセスがどんどん行われ、翌朝の「出す」につながる。これが理想的なサイクルです。

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