【最新研究】要介護高齢者のQOL向上には「寒暖」より≪明るさ・におい≫対策がカギ! 安価で始められる、理想の住宅環境づくりとは?

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国土交通省が示す『高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン』では、「高齢期にさしかかる前の可能な限り早い段階において、自らの判断に基づき、高齢期の住まいや住まい方を選択し、必要な場合には住まいの改修を行うことが望ましい」としている。とはいえ、大がかりなリフォームでは数百万円、さらにはそれ以上の費用かかることも珍しくなく、簡単な話ではない。

安価で始められる照明・におい対策、おすすめは

厚生労働省は、介護保険において要支援、要介護の認定を受けた人の一定の住宅改修に対し補助金を設けているが、手すりの設置や段差の解消など一部の工事に限り、上限は20万円。独自にリフォーム支援制度を設けている自治体でも、助成額はじゅうぶんではない。そんななか、明るさの対策であれば、比較的安価に、簡単に取り組むことができる。

「築年数を重ねた住宅では、照明器具そのものが古く、電球を取り換えながら使用し続けているケースが多く見受けられます。家電量販店では最新型のLED照明が数千円で手に入りますので、リビングや廊下、脱衣所、トイレなどの照明器具を取り換えるだけでも、高齢者の転倒リスクは減り、QOLの大幅な向上につながります。高齢のご両親のために、お子さんがすぐにできる対策のひとつです」

臭気対策においては、「ゴミ出しのルールなどを行政が見直すべき時期に来ている」と河口さんは指摘する。高齢者世帯の多い地域では自治会レベルで柔軟な話し合いを進め、住民同士でお互いに助け合うことも必要だ。

「住まいの臭気は、定期的な換気はもちろん、カーテンやじゅうたん、布製ソファ、寝具などの洗濯、取り換えで改善する場合もあります。要介護者にとって大きなものを洗濯するのは容易ではないので、介護者がコインランドリーなどを上手に活用するのもひとつの手です」

また、おむつやポータブルトイレを使用している住宅では、最新の強力密閉型のおむつ用ごみ箱や、専用消臭袋を取り入れることも有効策だ。

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