【最新研究】要介護高齢者のQOL向上には「寒暖」より≪明るさ・におい≫対策がカギ! 安価で始められる、理想の住宅環境づくりとは?
「調査結果を分析したところ、精神的健康状態との関連性がもっとも強かったのは、意外にも、“夜間照明の暗さ”であり、次いで“におい”でした。高齢者の住宅リフォームと言えば、バリアフリー化がわかりやすい例ですが、室内の明るさや換気も重点的に配慮すべきであることがわかりました」(河口さん・以下同)

温度より「明るさ」「におい」がQOLに影響する理由は
興味深いのは、全体の回答数としては「夏に冷房が利かなくて暑い」「冬に暖房が利かなくて寒い」に対して「多くある」「部分的にある」を選んだ人がもっとも多かった点。しかし、QOLとの関連をふまえると、精神的な影響が大きいのは、明るさと臭気のほうだったという。
「一般的に高齢になると、夜間照明がじゅうぶんでないと転倒リ
訪問診療で多くの要介護高齢者の自宅を訪ねてきた河口さんは、住宅の臭気に悩む高齢者の姿も見てきた。
「多くの自治体では朝の早い時間帯にゴミを出さなければならない決まりがあり、特に一戸建てが密集する住宅街では、前日からのゴミ出しはルール違反とみなされます。しかし、足腰が不自由な高齢者のなかには、ゴミ出しが困難な方もいらっしゃいます。訪問介護のヘルパーさんにお願いすることはできますが、朝早くの依頼は難しい。そのため自宅にゴミがたまり、異臭がこもってしまうケースがあるのです」
一方、暑さ、寒さについては前述のように、精神的な健康に及ぼす影響は低かった。これは、高齢になるほど体温調節機能が鈍化し、暑さ、寒さを感じにくくなることも影響しているようだ。
「暑さ、寒さはエアコンの使用や、衣服・寝具の工夫である程度は調整できます。しかし、住宅の照明や臭気の対策は、
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