セブン&アイ買収頓挫、金融機関が見込んだ巨額の手数料収入も幻に

カナダのアリマンタシォン・クシュタールがセブン&アイ・ホールディングスに対する買収提案を撤回した。
両社にそれぞれ助言を提供していた大手金融機関は、巨額の手数料収入を逃すことになった。クシュタールは6兆7700億円での買収を提案していた。
ゴールドマン・サックス・グループは、クシュタールに助言。三菱UFJフィナンシャル・グループを日本でのパートナーとするモルガン・スタンレーは、セブン&アイ側のアドバイザーを務めていた。
野村ホールディングスなど他の複数の金融機関も、この案件に関わっていたか、関わろうとしていた。
M&A(企業の合併・買収)助言を提供する投資銀行には、取引が成立して初めて報酬が支払われるのが一般的だ。
約1年にわたる交渉の末、クシュタールはセブン&アイ買収を断念した。理由として、セブン&アイが「実質的な協議に応じなかった」ことを挙げている。
同案件は実現すれば、外国企業による過去最大規模の日本企業買収となるところだった。
案件に関与した投資銀行は、助言や資金調達関連などの業務から数千万ドル、あるいは数億ドルの報酬を得られる見込みだった。