「西成で2泊100万円!?」驚愕の民泊料金の背景に《西成中華街構想》? 中国人が次々と“超高額民泊”や“カラオケ居酒屋”を開業したワケ
しかし、事業の継続性を疑われてしまっては目を付けられてしまうので集客は形だけでもしておかないといけないのだが、予約されるとこれまた面倒。ゆえに、2泊で100万円というとんでもない価格を堂々と打ち出し、予約が入らないようにしている……それが行政書士の見解である。
このままでは商店街の1階はすべてカラオケ居酒屋、2階は存在意義のない民泊。そんな事態になりかねない。
人はこうして街を忘れていく
需要がなくなれば街の姿はどんどん変わっていく。それは仕方のないことだ。しかし、一連の話を聞いて私が真っ先に思い浮かべたのは、ホテルAに張られたあの紙のことである。胸が締め付けられる思いだった。
2024年の夏、西成を訪れると、動物園前一番街の一部が同年6月に起きた火事で全焼していた。

しばらくは焼け残った瓦礫がそのまま放置されていたが、秋になると更地になった。その面積はかなり広く、何十店舗も店が入っていたはずだ。
しかし、焼けてなくなったよく行ったホルモン屋の店構えも、同じく焼けてなくなったカラオケ居酒屋の名前も、そこで働いていた女の子の顔も、何もかもが思い出せないのだ。
初めて西成を訪れた8年前から何百回も目の前を通っているはずなのに、そこに何があったのか、すべて記憶からなくなっている。
そうやって人は街を忘れていくのだ。そこで起きた出来事、経験、思い出が、数年後にはなかったことになってしまう。ホテルAが更地になる前に、あと何回西成に来ることができるだろうか。
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