「西成で2泊100万円!?」驚愕の民泊料金の背景に《西成中華街構想》? 中国人が次々と“超高額民泊”や“カラオケ居酒屋”を開業したワケ
西成の駅前の路地裏に「ホテルA」というドヤがある。このドヤを見つけたのはおそらく2018年のことだったと思う。私はホテルAの出で立ちがたまらなく好きで、以来、西成に来たときは必ず訪れている。しかし、泊まったことは一度もない。
というのも、入口の自動ドアは開くものの、帳場(ドヤのフロント)にいくら声をかけても誰も出てこないからだ。来るたびに何度声をかけても一切反応がない。そんなホテルAの壁に、ある日「テナント募集」の張り紙がしてあった。そこには「盛龍不動産」と書かれている。

盛龍不動産といえば、「大阪・西成を買い占める謎の中国人」と報道された林伝竜さんの会社だ。林さんの主なビジネスは西成にあるテナントを買い取り、カラオケ居酒屋に改装して、中国人に貸し出すというもの。
今、西成にはおそらく250軒ほどのカラオケ居酒屋がある。そのうちの20軒ほどが林さんのもので、商店街を征服しているとまでは言えないのだが、西成を席巻するカラオケ居酒屋の火付け役的存在であることはたしかである。
この街ではたびたび「西成中華街構想」というワードが話題に上がる。林さんが会長を務める一般社団法人「大阪華商会」が中心になって進めようとしている計画で、西成の「飛田本通商店街」アーケードを横浜中華街や神戸南京町のような中華街にしようとしているのだ。
あまりにも増えすぎた「カラオケ居酒屋」
2024年の春節の時期、西成に滞在していた私は林さんに会いに行った。2023年末に完成したという関帝廟(日本でいう神社みたいなもの)を案内してくれたのだが、林さんはこんなことを私に話した。

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