「西成で2泊100万円!?」驚愕の民泊料金の背景に《西成中華街構想》? 中国人が次々と“超高額民泊”や“カラオケ居酒屋”を開業したワケ

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動物園前一番街で50年近く営業を続けている小料理店の老夫婦も、「ときどき中国の人たちが来て、『土地を売る気はないか』って持ちかけてくるのよ」と話していた。

「まだ売る気はない」とは言っていたが、老夫婦も80歳近い。店を継ぐ人がいなければ、土地を売るしかないのが現実ではある。

西成
火事で全焼した西成区の土地。空き地には中国人たちがテナントを建てている(筆者撮影)

中国人が民泊に手を出すワケ

そして、西成チャイナタウン化の波はカラオケ居酒屋や小料理店などの飲食店だけではなく、宿泊施設も飲み込みつつある。大阪市は「特区民泊」のエリアに指定されていて、営業日数の制限がないなど、ほかのエリアよりも民泊で収益を上げやすい場所になっている。

西成を中心に民泊の運営代行をしている会社の社長さんがこんなことを言っていた。

「西成に民泊可の物件を複数持っている中国人が何人かいて、彼らから物件を借りて民泊として運営しているのも中国人であるケースが多いんです。私の会社にも、中国人から『西成で民泊をしたい』という相談がめちゃめちゃ来るんですよ。ただ、正確に言うと、『民泊をしたい』というよりも、『民泊として回せる物件があるからおたくに丸投げしたい』といった感じなんですよね」

そんな中国人からの問い合わせで多いのが、「カラオケ居酒屋の2階を民泊にしたいので運営を委託できないか?」という相談だという。

ほとんどのカラオケ居酒屋は2階建てのテナントの1階で営業をしているが、2階の使い道は正直ない。前出の社長さんも、ためしに客としてカラオケ居酒屋に行って、2階に上がらせてもらったことがあるが、おじさんたちの歌声があまりにもうるさくて、とてもじゃないが民泊なんてできそうになく、依頼は断った。

しかし、彼らはそれでも民泊を始めたいという。聞けば、「赤字になってもかまわない」とまで言う。さらには、そんな物件を相場の1.5倍ほどの価格で購入し、そのうえ採算度外視で民泊を始めようとする中国人もいるそうだ。

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