町岡さんが社長…ではなく『まちのおかしやさん』だから《おかしのまちおか》。創業71年目で明日上場、"独り勝ち"の意外と単純な理由とは?
「フランチャイズだと、本部との意思疎通にタイムラグが生じやすいが、直営なら一気通貫で指示を出せる。実際、現場には毎週、売り切ってほしい商品や、店頭に並べてほしい商品を事細かに指示している。
全店舗直営で小回りも利く体制は、薄利多売なモデルに適している」(みのや取締役の佐々木康宏氏)
近い業態では、全国で80店舗近くを運営する「だがし夢や」がある。こちらはフランチャイズ加盟店を募集し、35都道府県に店舗が点在する。一方で、おかしのまちおかは、物流拠点を構える関東・中部・関西周辺の大都市圏に店舗が密集する。人口の多い特定のエリアで店舗を密集させることで、ブランド認知を高め、物流効率を高めることにも成功している。
出店の狙い目はショッピングモール
もう一点気になるのが、「なぜ今上場するのか」というポイントだ。今回の上場で予定している6億~7億円の資金調達は、新規出店と既存店舗のリニューアルに充てる。
ここに来て出店攻勢をかけている背景を聞くと、「実はこれまでに浮き沈みがあった」と佐々木氏は明かす。
振り返れば、おかしのまちおかは、2014年に全盛期の今と同規模の200店舗を達成していた。ところが一転、コロナ禍の影響もあり、1年で15店舗近くを閉めた過去もある。
そこからV自回復に至るには、コスト削減の見直しが関係していた。
1つ目が「人件費の削減」だ。
それまでおかしのまちおかでは、1店舗あたり、1人の社員と、他1~2人のアルバイトスタッフで店舗を回していた。それがコロナ禍以降は、業務をマニュアル化することで、1人の社員が2~3店舗を管轄して、アルバイトだけでも運営を回すオペレーションを実現。これにより全体の人件費を圧縮できたという。
2つ目が「出店エリア」の徹底だ。
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