町岡さんが社長…ではなく『まちのおかしやさん』だから《おかしのまちおか》。創業71年目で明日上場、"独り勝ち"の意外と単純な理由とは?
筆者も特売品を狙いつつ、好物のアメやグミを中心に物色していると、あちこちに手が伸びる。「ブラックサンダーが柿の種とコラボしている!」「グミチョコボールってなんだ?」「蒲焼さん太郎めっちゃ小さくなってる……」など懐かしさに浸りながら、気づけば財布のひもが緩む。
結局、駄菓子からチョコレートまで計13点を購入し、会計は税込924円。買いすぎなのは重々承知だが、1000円以内で大人買いを楽しめたと思えば満足だ。

一見、お菓子専門店と聞くと、競合の多さがちらつく。スーパーやディスカウントストア、ドラッグストアなど、大手に飲み込まれる懸念もあるが、1000種類以上の商材は伊達じゃない。来店すれば、おかしのまちおかでしか買えない商材が見つかり、それが購買体験の満足度を押し上げる。至極シンプルながら、専門店ならではの優位性を発揮している。
薄利多売でも“勝つ”売り方
競合はいるものの、「お菓子専門店」というカテゴリーだけで見れば、200店舗以上を構えるおかしのまちおかの存在感が光る。
利益面でも直近の営業利益率4.3%という水準は、業態が異なるため単純に比較はできないものの、同じ小売業のイオンやセブン&アイ、ライフを上回る。
独擅場を築いた理由の1つとして考えられるのが、「全店舗が直営」であることだ。一般的に広域で展開するチェーン店であれば、フランチャイズによる拡大を選ぶ企業が多い。
それでも「まちおか」が直営を貫く理由は、その“売り方”にある。
ディスカウント商品は、通常に比べて賞味期限が短い。逆に言えば、足がはやい商材をいかにさばき切れるかで、メーカーとの信頼関係が築け、目玉となる値引き商品の確保も実現する。
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