「あそこの串カツ田中、潰れたのか…え、そんな店に変わったの!?」 串カツ田中“跡地“に出現した「高級とんかつ店」の正体

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ごはん以外にもパクチー、キャベツ、漬物がおかわり自由だ。とはいえとんかつの量はかなり多く、見かねたスタッフが「持ち帰りますか?」とパックを渡してくれたので3切れほど持ち帰った。

持ち帰り用のパック
持ち帰ったとんかつはその日の夜に自宅で夕飯として食べた。昼と夜と2食分で2970円だったと思うと途端にお安く思えてきた(筆者撮影)

とんかつは厚切りながらも中までやわらかい。さすが「揚げることを追求し続けた会社」だ。ごはんのおいしさも際立つ。

しかし筆者が訪れた際の客入りは“ぼちぼち”という状況だ。訪れたのは平日の13時過ぎ。ランチピークは過ぎているが、まだまだ昼ごはんを求める人はいるはずだが客席は8割がた空いていた。

他にいたのはワーカーと思われる人や、余裕がありそうな経営者風の中年男性など。いずれも近隣の人のようだ。店として利益を上げるにはもう少し賑わっていてもいいはずだが。

3000円の価値はある?

確かに商品はおいしくお腹は満たされたが、どうにも3000円近くかかったことに釈然としない思いで店を出た。やはり1回の食事が3000円となるとそれなりに求めるものは大きくなる。

そもそも、飲酒なしの食事で3000円を取るのはなかなか難しい。昨今の外食マーケットにおいて日常の食事1回で許容されるのは高くて1500~2000円くらいか(地域によって感覚は違うかもしれないが)。

それ以上となると、例えば特別な日に楽しむようなコース料理や、「有名シェフが長年の歳月をかけて開発した……」といった話題性のあるものなど、体験やストーリー、何かしらの“商品の品質以外で”心がワクワクするような付加価値が必要になってくる。

したがって、「厚とん」の商品クオリティは申し分ないが、クオリティを高めるだけでは3000円の価値に届かせるのはなかなか難しい。なのに同店が強気の値付けをしているのは何故なのか。

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