ドラマ「最後の鑑定人」に見る≪人間観察術≫ あの人の嘘は“しぐさ”に表れる!
なお、現代科学において、「このしぐさは嘘の証拠である」と断定するようなことはしていません。ドラマの中の高倉は(もちろん、実際に心理分析を行う専門家も)、マニピュレーターがなされた状況を加味し、さまざまな知見をもって、心理や嘘をあくまで推測しているのです。

別のドラマのシーンを見てみましょう。
後輩の学生による上着の後ろの裾をギュッと握るという動きもマニピュレーターです。不安定な感情をなだめようとしているのです。「(部室のカギを)締めました」という言い切りのメッセージに伴う動きとしては、怪しい。なぜこんなにも単純な返答に感情が波立つのでしょうか?
この観察眼は、次のようなビジネスシーンに役立ちます。部下や取引先の担当者が、「プロジェクトは、問題なく進んでいます」と言いつつ、マニピュレーターが生じています。
こんなときは、「進捗状況を確認させてください。困っているなら、手伝いましょうか?」と経過を確認したり、助け舟を出したりするとよいでしょう。完成度の低いものを提出・納品される、あるいは、締め切りに間に合わなくなることも防げます。
中学生にも政治家にも共通する微表情の意味
次はこんなドラマシーンです。
片方の口角が引き上げられる表情は軽蔑を意味します。一瞬ということから、軽蔑の微表情です。軽蔑は優越感とも言い換えられます。エールを送る言葉に対して、軽蔑は不可解です。「私ならできるけど、あなたじゃ、無理。無理」という本音が聞こえてきそうです。
ビジネスにおける交渉や契約時、相手の顔に軽蔑の微表情が浮かんだら要注意です。何か企んでいるのかもしれません。こちらに不利な条件が潜んでいたり、約束を最初から守るつもりがないのかもしれません。

無料会員登録はこちら
ログインはこちら