ヤマトはガンダムを超える?

劇場とDVDを同時展開

 

ソフトが売れない時代 “お祭り”で認知度UP

アニメビジネスで新たな試みが行われるのには理由がある。

アニメのソフトには、テレビや劇場作品だけでなく、ソフト販売を主目的に作られたOVA(オリジナルビデオアニメーション)もある。内容は買ってみないとわからないが、従来は原作や監督、キャラクターデザイナーに知名度があれば、それなりの本数が売れた。ガンダムでも過去、OVAの人気シリーズがいくつも生まれた。だが、全般的にOVAが売れなくなってきた。内容を見ずに“ジャケット買い”をしてもらえる時代ではなくなってしまったのだ。テレビアニメやアニメ映画のソフトも以前ほど売れなくなっている。

劇場公開から一定期間を置いてソフト化するこれまでの常識に安住している余裕がなくなったのだ。ゼロベースで考えた場合、劇場公開と限定版ソフト、配信を同時展開することで、ファンの間に“お祭り”を作り出す手法が出てきたのは、ある意味で必然といえる。

38年前のヤマトがアニメブームの嚆矢だとしたら、ヤマトに学び大きく花開いたのがガンダムである。そして今度は、ヤマトがガンダムに学び、映像マーケティングの常識を変えようとしている。映像ビジネスの本場、ハリウッドでもソフト販売の落ち込みに苦しんでいる。ヤマトの試みが成功すれば、このスキームが世界に広がるかもしれない。

(大坂直樹 =週刊東洋経済2012年3月31日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

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