30年で農家が9割減…日本一の「うずら卵」生産地に異変、背景に農家を襲った”四重苦”。生き残りを賭け狙う”うずらのプロテイン化”

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2000年代初頭に大ヒットとなった「おでん缶」
2000年代初頭に大ヒットとなった「おでん缶」は、今年で発売40周年を迎えた。長期保存の防災食としても注目を集めている(筆者撮影)

「うずら卵は1971年頃から扱っていまして、とくに愛知県豊橋市や豊川市など東三河地方では、食育や地産地消の観点から学校給食に使われていました。

弊社はもともと豊橋市で行っていた食育授業によく噛んで食べることの大切さを内容に加えて、誤嚥事故以降は全国で実施しています。地道ではありますが、このような活動を広げていきたいです」と、天狗缶詰営業本部の飯田昌宏さん。

農家を守るため取引量は維持

昔から長年にわたって取引している契約農家も守らねばならず、これ以上減産せずに生産し続けることを決断し、従来通りの購入を約束した。

とはいえ、需要が激減しているため、抱えている在庫は通常の1.8倍にも膨れ上がった。うずら卵は水煮の缶詰にすれば約3年間保存が可能となる。その間にうずら卵が主役となる新たな商品を生み出して、一般消費者に届けることが急務となった。

うずら卵の水煮の品質管理をするスタッフ
愛知県豊川市にある天狗缶詰三河工場内でうずら卵の水煮の品質管理をするスタッフ(天狗缶詰提供)

うずら卵を使った料理といえば、冒頭でも書いた中華飯とフライくらいしか思い浮かばない。ネットで検索すると、さまざまなレシピがヒットするものの、あくまでも副菜であり、メイン料理になれていない。

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