「起業の夢絶たれ…」ブラック企業を転々し不本意派遣も。貧困の沼から這い上がれない大学院出身53歳男性のリアル

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転職を繰り返し、不本意派遣も経験したタカシさん(写真:本人提供)

ただ、自分が試用期間中の身であること自体、初耳だったという。

典型的な“求人詐欺”である。

タカシさんはこの仕事を紹介したハローワークに相談したが、「これだけでは(行政指導などの)対応は難しい」と門前払いされてしまう。労働基準監督署(労基署)はさらに冷淡で「求人はうちの管轄ではないので、ハローワークに行くように」とあしらわれた。

今も多くの就職氷河期世代が足を運ぶハローワーク(写真:ウォーカーマシン/ PIXTA)※写真はイメージです

賃金ゼロ。まる1日ただ働き

タカシさんによると、この会社ではほかにも採用前の人を職場体験と称してフルタイムで働かせることが常態化していたそうだ。

ほかの職員と同じ仕事をしているのに、賃金はゼロ。まる1日ただ働きである。会社側は「これは2次試験でもある」とうそぶいていたというが、指揮命令下での長時間にわたる職場体験は、違法とみなされる可能性が高い。

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