【A70型・A80型・A90型】ファイナルエディション発売&生産終了がアナウンスされたトヨタ「スープラ」の歴史を振り返る

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それを、TOYOTA GAZOO Racingも協力し、2024年からレストアを開始。外装や足まわりなど各部にGRヘリテージパーツを使いレストアしたほか、ボディの全塗装やエンジンのオーバーホールなども実施。とくにエンジンは、ヘッドカバーに施されている「2500 TWIN TURBO」の文字もレタリングし直した(描き直した)そうで、細部にわたり職人の技が活きていることがわかる。

スープラは本当にこれが最後か?

スープラ“A90ファイナルエディション”のリアビュー
スープラ“A90ファイナルエディション”のリアビュー(筆者撮影)

ともあれ、A70型からA90型まで、3世代のスープラが揃った姿をあらためて見てみると、日本が世界に誇るスポーツカーの火が消えるようで、とても残念で惜しい気がする。生産終了の時期は、国や地域によっても多少異なるようだが、日本では2026年春の予定とのこと。ただし、レース専用車両のGRスープラGT4は継続販売のようなので、スープラのDNAが完全に途絶えるわけではなさそうなのが唯一の救いだ。

ちなみに国産スポーツカーでは、日産の「GT-R」も2025年モデルで一区切りとなる。こうした流れは、スポーツカーの需要がかつてほどでない日本では、やはりしかたないことではある。だが、たとえば、ホンダは2025年秋に「プレリュード」を復活させることをアナウンスしている。かつて若者を中心に大きな支持を受けたクーペタイプのスペシャリティーカーで、1980年代には、女性を誘ってドライブするのに最適なクルマ、いわゆる「デートカー」という流行語も生み出した名車だ。

同会場のホンダブースに展示されていた新型プレリュード
会場のホンダブースに展示されていた新型プレリュード(写真:三木 宏章)

その約20年ぶりとなる新型では、独自の2モーター式ハイブリッドシステム「e:HEV(イーエイチイーブイ)」を搭載。e:HEV向け新技術「ホンダS+シフト」を採用するなどで、ハイブリッド車ならではの高い環境性能はそのままに、スポーツカーとしての軽快かつ心地よい乗り味も両立するという。

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そう考えると、スープラやGT-Rも、ハイブリッドやBEVなど、環境対策とパフォーマンスを両立した次世代モデルとして登場することは期待できるかもしれない。いずれにしろ、国産スポーツカーの火が絶えることなく、今後も我々ユーザーが持てる選択肢のひとつとして生き残ってくれることを望みたい。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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