天一が大量閉店…逆に増えてるチェーンには《意外な共通点》が!ラーメン業界で進む「郊外化」の"残酷"すぎる理由
「これまで割安だった豚肉や背脂などの具材に加え、麺や海苔、メンマなど、スープづくりから具材に至る幅広い原材料で価格が大幅に上昇した」ことがその背景にある。食材費などは都心部と郊外で変わらないが、家賃は当然都心部のほうが高くなる。それだけ、経営が厳しいわけだ。
では都心部ではラーメンの値段をあげればいいじゃないか、となる。事実、ラーメンライターの井手隊長氏が唱えた「ラーメン1000円の壁」という言葉が広く浸透し、それに背中を押される形で値上げに踏み切ることができたラーメン店も多かったはずだ。
ただし、結果として「とは言え、最近のラーメンは高すぎないか?」という感情が消費者の間に生まれるようになったのも確か。その値段はジリジリ上がってきているが、限界も近づきつつある。
そうなると、いよいよ考えるべきは原材料を含めたコストをいかに少なく抑えるのか、ということ。郊外は都心部に比べれば家賃や人件費が下がる。そうなれば、地方郊外に店が増えることは必然だといえよう。
加えて、すでに都心部では個人店を中心としてラーメン店がひしめき飽和しており、そうではない場所を求めて郊外部への出店が増えているという事情もあるだろう。
「外食の郊外化」が進んでいる?
チェーンを中心として外食企業の動態を追っている筆者からすると、ここ数年での都心部でのランチ価格の上昇はすさまじいものがある。
一昔前(といっても数年前)は、「都内でランチだったら1000円ぐらいは見とかないとね」と言っていたのが、いつの間にか1000円は余裕で超え、1500〜2000円が普通になってきた。別にその現状に強く異を唱えるわけでもなく適応しているが、よくよく考えればその上がり方はすごいものがある。
一方、郊外に目を向けてみるとむしろ客単価が高くてもかなりの客が入り、にぎわっている店も多い。
東洋経済の記事でも書いたが、丸亀製麺を運営するトリドールホールディングスが展開する「コナズ珈琲」などは平日に行っても1時間以上待つことは普通。ただ、それぞれのメニュー単価は高く、「少し高級でもゆったり過ごせる場所」としての強いニーズがある。筆者はコナズ珈琲について、女子会や休日の食事など、どちらかといえば「ハレ」の場での需要があるのではないかと感じている。


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