天一が大量閉店…逆に増えてるチェーンには《意外な共通点》が!ラーメン業界で進む「郊外化」の"残酷"すぎる理由
一方で好調なのが「郊外型ラーメンチェーン」。日本ソフト販売株式会社が発表しているラーメンチェーンの店舗数ランキングでは、天下一品は9位。実は、昨年は8位だったのだが、この順位を抜いたのが「丸源ラーメン」だ。

都心部の人にはピンと来ないかもしれない。ロードサイドを中心に店舗を展開するラーメンチェーンで、2025年4月の段階で225店舗を擁する。運営会社である物語コーポレーションの業績も好調。2025年6月期第3四半期決算では、売上高は前年同期比で14.8%増加している。
さらに、天下一品をジリジリと追い詰めるのが「山岡家」。こちらも典型的な郊外型のラーメンチェーンで、現在189店舗。現在、天下一品が200店舗なので、あと10店舗ほどで追いつく計算だ。
運営会社の丸千代山岡家はここ5年で経常利益は約12倍、純利益に至っては約20倍である(2021年1月期と、2025年1月期を比較)。現在にしては珍しく24時間営業なのも好調の要因で、深夜に訪れると、驚くぐらいの行列ができている。丸源ラーメン以上に勢いがあると言えそうだ。
これ以外にも、ここ数年での店舗の増加率が高い店として、田所商店や町田商店などがあるが、田所商店は千葉県千葉市の花見川区、町田商店は東京都町田市と、郊外を中心として発展してきた店である。
一方で、苦しいチェーンは苦しい。「リンガーハット」は2021年7月の597店舗から2025年7月は552店舗と、じわじわと店舗数を減らしている。また、一時期業績不振が話題となった「幸楽苑」は最盛期は500店舗を超えていたものの、2025年7月は351店舗と漸減が続いている。
ともに都市部、フードコート、ロードサイドなどに出店しているが、撤退が目立つのは都市部の店舗だ。

ラーメンチェーンを苦しめる「コスト高」
都心部が苦しいのには、家賃や人件費、さらに食材費の高騰がある。
帝国データバンクが発表している「ラーメン原価指数」によれば、2020年を100としたとき、2024年のラーメン原価は129で、5年で3割ほど上昇している。
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