もはや四季ではなく「五季」の日本。《猛暑》が変えるビジネスと働き方を考える。毎日の「通勤」にも大きなリスク!

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

日本だけではない。世界各地で季節の概念が変わりつつある。

ヨーロッパのファッション業界では、イタリアのOVS社が夏物セールの開始時期を7月初頭から中旬以降に変更。「夏が後ろ倒しになっている」という現実への対応だ。

北米では「煙の季節」という言葉が定着。カリフォルニアやカナダ西部では、夏から初秋にかけて山火事が頻発。その煙害が数週間から数カ月続く。これを「第五の季節」と呼ぶ地域もある。

シアトル市では公共施設にクリーンエアシェルター(煙対策の避難スペース)を設置。気候変動による極端現象が、新たな「季節」を生み出している。

熱中症対策が義務化された日本

猛暑という新しい季節が増えることで、ビジネスチャンスが増えるのはいいことだ。しかしリスクのほうが大きいのではないか。

ご存じの通り、2025年6月に職場での熱中症対策が法律で義務化された。違反すると6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金。これは建設現場だけの話ではない。

驚くべきことに、職場で起きる熱中症の約4割は屋内で発生している。冷房の効いたオフィスでも油断はできないのだ。

しかし最大のリスクは通勤にある。気温35度を超える日の満員電車。駅から会社までの徒歩。外回り営業の移動。これらすべてが熱中症リスクになる。

営業職など、外出の多い職種も注意が必要だ。営業車で外回りを続け、体調不良を訴える営業が、私の身近にたくさんいる。

「満員電車で熱中症なんて」「外回りの営業が熱中症なんて」……。多くの人は、そう受け止めるかもしれない。たしかに、その瞬間に発症することは少ないだろう。

しかし、このような負担の積み重ねが熱中症を引き起こすと捉えるべきだ。これまでのやり方、考え方は通用しないことを、とくに経営者は理解してほしい。

次ページ猛暑だからこそリモートワークを
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事