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<イスラエル投資ファンド>代表はなぜ今、日本を訪れたのか?防衛費増の日本に軍事技術ベンチャーへの投資を呼びかけ…世界の中で日本を有望視

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レーザー迎撃システム「アイアン・ビーム」を生んだベンチャーの技術(写真:Israel Defence Ministry/ロイター/アフロ)
イスラエル有数の投資銀行「キュキアマン社」のエドアルド・キュキアマン代表が来日し、日本の投資ファンドとの提携に乗り出した。パレスチナ自治区ガザでの戦闘の停戦が発効し、これから軍事技術の民間転用などイスラエルのスタートアップの強みを生かした投資案件が有望になってくるとみて、日本から投資を呼び込む構えだ。
1993年設立のキュキアマン社は、これまでに108億ドル(1ドル=157円として約1兆7000億円)のファンド設立や企業合併の実績があり、イスラエルで最も大きな投資銀行だという。1999年にベンチャーキャピタル(VC)「カタリスト・インベストメンツ」を設立。自動車の衝突防止補助システムを開発した「Mobileye(モービルアイ)」に先駆けて投資し、成功させた。
2022年にはオンラインの投資プラットフォームである「カタリスト投資クラブ」を設立。イスラエルとアメリカのベンチャー300社から投資先を探せるシステムを強みとする。
なぜ今、日本で投資を募るのか。11月20日、東京都内でキュキアマン代表にインタビューした。

――来日の目的は。

カタリストの投資対象の半分はNASDAQ(ナスダック)に上場している会社だが、半分は未成熟のベンチャーだ。われわれが支援する企業は財政や経営の裏付けがあり、日本での活動の余地は大きいと思う。日本でもオフィスを開設し、投資家を募りたい。

今回、イスラエルからVC10社が一緒に来日し、在京イスラエル大使館の主催で、日本の企業やVCと交流した。

われわれは日本で戦略的パートナーを必要としており、今回の来日で良い討論ができたが、提携に至るまでは長いプロセスとなる。イスラエルは早急な結果を求めるが、日本は段階を踏む時間を要することはわかる。ただ、日本は新しい技術やアイデアに開かれている国だ。

イスラエルと同様、日本には多くの脅威がある

Edouard Cukierman/Catalyst Investmentsマネジングパートナー、Cukierman & Co. Investment House代表(同氏提供)

――イスラエルの投資ファンドが日本で投資を募る意味は何か。

ビジネス機会の観点から、日本の状況はイスラエルと比較できる。イスラエルは敵対する多くの国に囲まれている。この数年、イラン、パレスチナ自治区ガザ、ヨルダン川西岸、レバノン、イエメンなど7つの前線に直面してきた。

日本も、中国、ロシア、台湾情勢など多くの脅威がある。日本は軍事的能力を向上することへの関心があると思う。イスラエルはその点で多くの経験があり、ハイテク分野での軍事産業が強い。

われわれファンドは過去30年間、軍事産業、サイバーセキュリティーに投資している。

私のファンドにいるヤイル・シャミル氏は元首相イツハク・シャミル氏の息子であり、空軍パイロットで空軍技術部門の長を務めた。3年間、農業大臣として離れた以外は、仲間として26年間いっしょに働いてきた。イスラエル最大の軍事産業「イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)」の会長でもあった。

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