フィリピン「鉄道員育成施設」日本が支援する背景 地下鉄の基地に設置「日本式」で安全意識浸透

日本の円借款案件として工事が進む、フィリピンの「マニラ首都圏地下鉄事業(MMSP)」(イーストバレンズエラ―ヴィクタン間33.1㎞)。同国初の地下鉄として、開業後はマニラ首都圏を南北に貫く大動脈となる。
当初、先行開業区間として位置づけられていた「CP101工区」(イーストバレンズエラ―ノースアベニュー間・約7.3㎞)のトンネルを掘削する最初のシールドマシンが発進してから約2年半が経過した。同区間は、清水建設とフジタ、竹中土木、それに現地大手建設会社・EEI社のJVが受注し、多くの日本人が工事を支えている。
地下鉄基地に「鉄道訓練センター」
現場には日本語の安全指針や行動規範が貼り出されており、日比両政府による巨大ODAインフラプロジェクトの核心地であると実感する。
しかし、ここには初の地下鉄を造るというだけではない、フィリピンの鉄道の将来を占う壮大なプロジェクトが隠されている。CP101工区に含まれる車両基地は単なる車庫や検修施設にとどまらず、フィリピンの鉄道人材育成の拠点となる「フィリピン鉄道訓練センター(Philippine Railways Institute :PRI)」の建設も進んでいるのだ。
PRIとはいったいどんな施設で、何を狙いとしているのか。現地を取材した。
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