フィリピン「鉄道員育成施設」日本が支援する背景 地下鉄の基地に設置「日本式」で安全意識浸透

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
フィリピン鉄道訓練センター シミュレータ
フィリピン鉄道訓練センターの仮施設に暫定設置してある実寸大シミュレーター。ホームドアも再現している(筆者撮影)

日本の円借款案件として工事が進む、フィリピンの「マニラ首都圏地下鉄事業(MMSP)」(イーストバレンズエラ―ヴィクタン間33.1㎞)。同国初の地下鉄として、開業後はマニラ首都圏を南北に貫く大動脈となる。

当初、先行開業区間として位置づけられていた「CP101工区」(イーストバレンズエラ―ノースアベニュー間・約7.3㎞)のトンネルを掘削する最初のシールドマシンが発進してから約2年半が経過した。同区間は、清水建設とフジタ、竹中土木、それに現地大手建設会社・EEI社のJVが受注し、多くの日本人が工事を支えている。

この記事の画像を見る(22枚)

地下鉄基地に「鉄道訓練センター」

現場には日本語の安全指針や行動規範が貼り出されており、日比両政府による巨大ODAインフラプロジェクトの核心地であると実感する。

【写真】フィリピンの鉄道員を育成する「鉄道訓練センター」。建物はまだ建設中だがすでに「日本式」のトレーニングは実施中。仮施設にも実物大の運転シミュレーターや車両部品などが並ぶ

しかし、ここには初の地下鉄を造るというだけではない、フィリピンの鉄道の将来を占う壮大なプロジェクトが隠されている。CP101工区に含まれる車両基地は単なる車庫や検修施設にとどまらず、フィリピンの鉄道人材育成の拠点となる「フィリピン鉄道訓練センター(Philippine Railways Institute :PRI)」の建設も進んでいるのだ。

PRIとはいったいどんな施設で、何を狙いとしているのか。現地を取材した。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事