あの会社も実践!ROEを高める「5つの手法」 重要なのは、「どうやって高めたか」

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今年2月の経営方針説明会でROEの数値目標を掲げたソニー。6月30日に発表した巨額資金調達は使途をめぐり憶測を呼んだ(撮影:平井一夫)
近年、自社株買いや増配を発表する企業が増えています。たとえば、富士フイルムホールディングスは2017年3月期までに、500億円をM&Aに充てるのと同時に、自社株買いなどによって2000億円を株主に配分しようとしています。目的は、ROEを目標の7%まで高めること。同社以外にも、多くの上場企業がROE目標を定めて動き出しています。では、ROEはどのようにすれば高められるのでしょうか。なぜ、自社株買いや増配がROE向上に貢献するのでしょうか。ここが分かると、企業の動きがより深く理解できるようになります。3回の連載でお届けします。今回が2回目です。

  第1回 いまROEが注目を集めるようになった裏事情

ROEはどのようにすれば上がるのでしょうか。

その説明の前に復習です。ROEは「Return On Equity」の略で、Returnは「利益」、Equityは「資本」を意味しています。つまり、自己資本に対して、株主が得る利益がどれだけあるかを調べるための指標です。言い換えますと、株主に入れてもらったおカネをどれだけ有効活用しているかを見るための数字、ということです。

ROEは、具体的には次の式から求められます。

分子を大きくするか、分母を小さくするか

ROE=純利益÷自己資本

これを高めるには、基本的には分子の「純利益」を上げるか、分母の「自己資本」を下げるかという2通りの方法があります。もちろん、うまく経営をして売上高を伸ばすことや、ムダなコスト削減で収益力を高め純利益を上げて、ROEを高めることが望ましいのですが、これ以外にも高める手法がいくつかあるのです。その中には、場合によっては望ましいものも望ましくないものもあります。一つひとつ解説しましょう。

①コストを削減する

一つめは、利益を増加させるためにコスト削減をすることです。ただし、ムダなコストを削減するなら問題はないのですが、仕入れ先に無理を強いて売上原価を削減することもあります。人件費も過度に削減されると問題が生じます。販管費のうち人件費の占める割合は高いですから、そこを減らしてしまえば、すぐに純利益を上げることができるのです。

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