予約だらけの万博に「予約不要」で攻めるバス会社 並べば乗れて割安料金、鉄道よりも利便性高い

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その後、神姫バスの職員が現れ、レーンに並ぶ人数を数えだした。6時40分頃、職員から万博会場行きのバスへ案内され、定員60名の高速バスタイプのバスに乗車。中央の補助いすも利用し、満席であることを確認したうえで、7時前に神戸三宮バスターミナルを発車した。時刻表に明記されていた初便の7時30分よりも30分以上も早く、しかも並んでいるときに聞こえてきた7時10分よりも早い発車だった。

エキスポ神戸号はハーバーハイウェイ、阪神高速5号湾岸線を東進。北港JCT、湾岸舞洲ICを通り、7時30分すぎに万博会場西ゲート前のバスターミナルに到着した。交通量が少ないことが影響し、神戸三宮バスターミナルからの所要時間は40分もかからなかった。

さすがに7時30分すぎということもあり、西ゲート前のレーンが待ち客で埋め尽くされる光景は見られなかった。ただ、西ゲート前には屋根がないことから、熱中症には注意したいところだ。

午前7時30分すぎの西ゲート(筆者撮影)

神戸三宮行きエキスポ神戸号は、13時から22時にかけて運行される。最も運行本数が多い時間帯は19時台と21時台で、定期便の運行本数は各1時間あたり4本だ。

なお、エキスポ号は交通系ICカードは利用できるが、エキスポ三田号を除き神姫バスのICカード「NicoPa」は利用できない。また、シャトルバスとは異なり、アプリからの購入はできない。そのため、アプリ利用時にありがちな、運転士にスマホの画面を見せる手間がない。交通系ICカードの利用が大半を占め、バスの乗車・降車はいたってスムーズだった。

予約制ではない理由

なぜエキスポ号は予約制ではないのだろうか。神姫バスによると、エキスポ号の利用者は1日あたり1000人を超え、臨時便も存在することから、システムでの管理が難しいというのが理由だ。仮に予約制を採用すると、座席定員や座席配置が車両ごとに異なり、車両タイプは運行直前まで確定しないため、かえって利用者に不便をかけることが想定される。また、エキスポ神戸号は運行間隔が最短15分間隔、走行時間は50分未満のため、手軽に乗車できるシステムが望ましい。路線環境や現状に合わせて、臨機応変に対応する神姫バスの姿勢を感じる。

なお、7月1日のダイヤ改正以降の臨時便の運行に関しては、神姫バスから「乗務員および車両の状況に応じて、可能な限り対応したい」という回答を得た。今後、万博の来場者数は増えていくことだろう。エキスポ号のさらなる活躍を期待したい。

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新田 浩之 フリーライター

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にった ひろし / Hiroshi Nitta

1987年兵庫県神戸市生まれ。2013年神戸大学大学院国際文化学研究科修了。関西の鉄道をはじめ、中欧・東欧・ロシアの鉄道旅行、歴史について執筆。2018年にチェコ政府観光局公認の「チェコ親善アンバサダー2018」に就任。

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