予約だらけの万博に「予約不要」で攻めるバス会社 並べば乗れて割安料金、鉄道よりも利便性高い
エキスポ神戸号に人気が集まる理由は明白だ。鉄道の場合、JR三ノ宮から大阪メトロ夢洲駅までの所要時間は約50分(大阪駅・弁天町駅乗り換え)、運賃は1040円。同じく鉄道の阪神神戸三宮―夢洲間(九条駅乗り換え)は790円と安い。所要時間はJRと同じく約50分。ただし、神戸三宮駅から阪神なんば線に直通する快速急行は、1時間あたり3本(昼間時間帯)しかない。エキスポ神戸号の所要時間は50分弱で運賃は1000円、乗り換え不要のため鉄道よりも利便性が高い。
また、エキスポ神戸号の神戸三宮―万博会場間1000円という運賃設定は、シャトルバスや他の中長距離バスよりも格段に安い。新大阪駅―万博会場間の主要駅シャトルバスは1500円を要する。京阪バスが運行する京都駅八条口―万博会場間の中長距離バスは2000円だ。参考までに、鉄道のJR京都―夢洲間(大阪駅・弁天町駅経由)は、バスよりも780円安い1220円である。
エキスポ神戸号に乗ってみた
6月の平日に、神姫バスが運行するエキスポ神戸号に乗車した。EXPO神戸号が発着する神戸三宮バスターミナルは、JR三ノ宮駅の東側に位置し、JR線の高架下にある平屋のターミナルだ。
午前6時すぎにターミナルに着く。ターミナルに入ると、万博会場行きの専用レーンがあり、2列で待つ。6時過ぎの時点で、すでに10人ほどが並んでいた。時刻表を見ると、万博会場行きの初発便は7時30分である。1時間以上の待ち時間に備え、持参した簡易のいすに座る人の姿も珍しくない。なお、他の定期便はバスの案内があるまで、ターミナル内にあるベンチで待つ。つまり、乗り場の行列はエキスポ神戸号のみの特別対応なのだ。
並んでいると、「7時10分発の臨時便の設定があるのでは」という声が前から聞こえた。7時10分発の便は時刻表に明記されていないが、臨時便の設定が常態化しているようだ。
このように、兵庫県内ではエキスポ神戸号の運行に関して、SNSや友人からの口コミによって情報を得ている人が多いように感じる。かくいう筆者も、万博が始まるまで、エキスポ神戸号の存在を知らず、兵庫県在住の友人からの口コミで知った。
6時30分になると、私の後ろに40人以上が並んでいた。合計すると、少なくとも50人以上が並ぶ計算になる。行列には特に混乱もなく、ガイドブックなどを見ながら、万博の計画を練っている人もいた。

無料会員登録はこちら
ログインはこちら