実は「山陰の鉄道発祥の地」、鳥取ご当地鉄道事情 関西とは気動車特急「スーパーはくと」が直結

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この境線、境港駅で線路が途切れる盲腸線なのだが、これがただの盲腸線にあらず。歴史をさかのぼれば、山陰地方の鉄道はこの境線からはじまったといっていい。

というのも、なかなか鉄道の恩恵にあずかれなかった山陰地方にあって、1902年にはじめて開業したのが境港―米子―御来屋(みくりや)間だったのだ。

境港が山陰の鉄道の起点になったのは、港から建設用の資材を運び入れたため。いまも境港駅の近くには「鉄道発祥の地」であることを示す碑が置かれている(米子駅前にもある)。

境線の終点・境港は、『ゲゲゲの鬼太郎』作者の水木しげる先生の生まれ故郷。境港駅前から水木しげるロードが延びていて、あちこちに『ゲゲゲの鬼太郎』のキャラクターの像が建つ。

おかげで観光客にも恵まれていて、境線を走る車両にも鬼太郎ラッピングが施されている。車内放送もアニメ版『ゲゲゲの鬼太郎』の声優さんが担当していたり、乗るだけでもエンターテインメント性が楽しめるローカル線なのだ。

【写真を見る】人口が47都道府県で最も少ない鳥取県の鉄道だが、京阪神エリアでもエンジン音を轟かせながら走る特急「スーパーはくと」の姿はおなじみだ

県の東西にターミナル

鳥取県の鉄道路線は、これですべてである。山陰本線を軸として、東にある県都のターミナル・鳥取駅と、西の端のターミナル・米子駅とを中心に小さなネットワークが広がっている。

何しろそれぞれが鳥取県の人口第1と第2の都市。鳥取市と米子市だけで県人口の6割超なのだから、鉄道がそれぞれに集中しているのも納得である。そして、自動改札である。鳥取駅に自動改札が入った、ICOCAが使えるようになった、などとちょっとした盛り上がり。

ただ、米子駅には2016年から自動改札が設置されていて、ICOCAも導入されていた。山陰本線が電化されているのも米子駅付近。県境を跨いだすぐ西は、島根県都の松江も近い。

鉄道ネットワークという点にあっては、県都の鳥取よりも西の端の米子のほうが中心的な位置づけになっている、ということなのだろうか。

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鼠入 昌史 ライター

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そいり まさし / Masashi Soiri

週刊誌・月刊誌などを中心に野球、歴史、鉄道などのジャンルで活躍中。共著に『特急・急行 トレインマーク図鑑』(双葉社)。

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