タワマン増殖で「西日すら当たらない」と嘆く旧住民たちの"現実" 中央区「勝どき」から失われたものはこんなにもあった

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南側にタワマンがあるから、日中の日当たりが良くないのはわかるけど、西日すら当たりませんからね。冬は以前より気温が下がった気がしますよ(笑)」

ダンダン パンプキンケーキ
人気のパンプキンケーキ(600円)(筆者撮影)

取材に伺った日は人気メニューの日替わりケーキをオーダーした。ケーキ類はすべて手づくりしているとのこと。この日は「パンプキンケーキ」だった。鼻に抜ける、シナモンの爽やかな香りが印象的だった。

人気はケーキだけではない。この日はランチタイムを過ぎていたので、出会えなかったが、割烹料理店で修業した高島さんの海鮮丼や魚の煮付けもかなりのものらしい。気になる人は訪ねてみてほしい。

再開発現場を歩いてみると

現在再開発が進んでいる現場は、たいてい高いトタンの壁で覆われている。ところどころにのぞき穴があったりする。背伸びをして覗いてみると、大きな重機が穴を掘っている。

大江戸線の勝どき駅から地上に出て、そのまま朝潮運河に向かって歩くと、クレーン車や、パワーショベルが作業する現場が見えた。

勝どき
開発が続く勝どき界隈(筆者撮影)

そうした場所もあるが、街の散策を続けると、昔ながらの風景が残っている区画もそこかしこに点在する。かつての長屋街の奥に、タワマンがそびえる風景は、時空が交差する映画のワンシーンのようだ。むしろ、そんなアンバランスさこそがこの街の魅力なのかもしれない。

東京の中央区勝どきはタワマンだけじゃない魅力が詰まった街である。

【もっと読む】「タワマン住みの"新住民"は町内会に入らない。でも、祭りには来る」…。タワマンの聖地・武蔵小杉、激変した街に"旧住民たち"が語ること では、タワマンによって激変した街・武蔵小杉を、街に詳しいライターのライター末並俊司さんが探訪。地元住民への取材を通じて、タワマンによって生じた変化についてリポートしている。
末並 俊司 ライター

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すえなみ・しゅんじ / Shunji Suenami

福岡県生まれ。93年日本大学芸術学部を卒業後、テレビ番組制作会社に所属。09年からライターとして活動開始。両親の自宅介護をキッカケに介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)修了。現在、『週刊ポスト』を中心として取材・執筆を行っている。

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