「友だちと駆け回ってさ、肥溜めにハマったこともあるよ(笑)。そんな環境で育ったんだけど、私が住んでいるここら一帯も再開発計画が決まっているんですよ。
開発計画は不安定だからどうなるかわからないけど、まぁ、10年以内には私も引っ越すことになるだろうね」(平松さん)
築60年の家をリノーベーション
平松商店を出て、近所を歩く。
平松さんが語っていた通り、勝どきの再開発は今後も続く。つい最近も「パークタワー勝どきミッド」と「パークタワー勝どきサウス」の2棟が竣工した。上層階は3億円を超える物件だ。

その真向かいに、気になる店を見つけた。
2棟のタワマンから、通りを挟んで10階ほどのマンションが並んでいる。「喫茶店ダンダン(中央区勝どき4-4-5)」は、築60年の建物をリノベーションし、2024年の8月にオープンした新しい店だ。店主の高島恒一さんはこう語る。
「祖父の代から3代、築地で干物や練り物など、加工品の仲卸をやっていたのですが、時代の流れもあって、そうした加工品はスーパーで買うようになってきた。思い切って仕事を整理し、自宅をリノベーションしてこの店を立ち上げることにしたんです。
今は午前中に豊洲市場で仲間がやっている仲卸の店舗で働いて、昼前にこの店にきて、ランチのための料理をつくります。娘も手伝ってくれるので、楽しくやっていますよ」

複数のタワマンが進出してきたために、勝どき地区の人口は増え続けている。
リーウェイズ株式会社(東京都渋谷区)の調査によると、今後30年でもっとも人口が増える駅が「勝どき」駅という結果だった。
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