総合スーパーにのしかかる出口のない未来 ユニーがファミマとの統合で見出したいもの

✎ 1〜 ✎ 25 ✎ 26 ✎ 27 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

直近の2015年度上半期決算。ファミマが最高益の一方、ユニーグループはコンビニやGMSが想定以上に振るわず、増益予想が一転して営業減益となった。不振店舗の減損も響き、6年ぶりに最終赤字に転落した。ユニーグループの2016年2月期の業績予想は下方修正を迫られた。

コンビニも前年を割る客数だったが、GMSの不振は大きい。ユニーは衣料品などの売上減を理由に挙げているものの、衣料品が専門店に奪われるのはいまに始まったことではない。ユニーのGMSについては2割に当たる最大50店程度を閉鎖するという一部報道もあり、ユニーグループ幹部は東洋経済の取材に対して「前期末では経常利益段階での赤字店舗が4割に達している」と認めている。こうした状況がファミマとの統合に背中を押した要因の一つとみていいだろう。

イオン、ヨーカドーですら不振にあえぐ

ただ、GMSの不振はユニーだけの問題ではない。イオンも本業のGMSは苦戦。あのセブン&アイですらグループのイトーヨーカドーについて今後5年で全体の2割に当たる40店舗を閉鎖する方針を表明しており、一筋縄でいく話ではない。

ダイエーが全盛期だったようなころならともかく、今の時代にGMSは不利だ。衣料品は「ユニクロ」や「H&M」「GAP」「ZARA」はたまた「ファッションセンターしまむら」、簡易家具なら「イケア」や「ニトリ」、靴は「ABCマート」や「チヨダ」、家電は大手量販店など、手頃な価格ながら品質も良く、品ぞろえも豊富な各分野の専門店があふれている。

わざわざGMSで食品以外の商品を積極的に買う消費者は確実に減っていっている。これについて規模を大きくしたところで根本的な対策につながらないのはイオン、セブン&アイも同じで、リストラは不可避かもしれない。それでもファミマと一緒になることで活路を見出したいというのがユニーの本音なのだろう。 

坂口 孝則 未来調達研究所

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

さかぐち・たかのり / Takanori Sakaguchi

大阪大学経済学部卒。電機メーカーや自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の分析が専門。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」(幻冬舎)等がある。最新著は「買い負ける日本」(幻冬舎)。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事