総合スーパーにのしかかる出口のない未来 ユニーがファミマとの統合で見出したいもの

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直近の2015年度上半期決算。ファミマが最高益の一方、ユニーグループはコンビニやGMSが想定以上に振るわず、増益予想が一転して営業減益となった。不振店舗の減損も響き、6年ぶりに最終赤字に転落した。ユニーグループの2016年2月期の業績予想は下方修正を迫られた。

コンビニも前年を割る客数だったが、GMSの不振は大きい。ユニーは衣料品などの売上減を理由に挙げているものの、衣料品が専門店に奪われるのはいまに始まったことではない。ユニーのGMSについては2割に当たる最大50店程度を閉鎖するという一部報道もあり、ユニーグループ幹部は東洋経済の取材に対して「前期末では経常利益段階での赤字店舗が4割に達している」と認めている。こうした状況がファミマとの統合に背中を押した要因の一つとみていいだろう。

イオン、ヨーカドーですら不振にあえぐ

ただ、GMSの不振はユニーだけの問題ではない。イオンも本業のGMSは苦戦。あのセブン&アイですらグループのイトーヨーカドーについて今後5年で全体の2割に当たる40店舗を閉鎖する方針を表明しており、一筋縄でいく話ではない。

ダイエーが全盛期だったようなころならともかく、今の時代にGMSは不利だ。衣料品は「ユニクロ」や「H&M」「GAP」「ZARA」はたまた「ファッションセンターしまむら」、簡易家具なら「イケア」や「ニトリ」、靴は「ABCマート」や「チヨダ」、家電は大手量販店など、手頃な価格ながら品質も良く、品ぞろえも豊富な各分野の専門店があふれている。

わざわざGMSで食品以外の商品を積極的に買う消費者は確実に減っていっている。これについて規模を大きくしたところで根本的な対策につながらないのはイオン、セブン&アイも同じで、リストラは不可避かもしれない。それでもファミマと一緒になることで活路を見出したいというのがユニーの本音なのだろう。 

坂口 孝則 未来調達研究所

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さかぐち・たかのり / Takanori Sakaguchi

大阪大学経済学部卒。電機メーカーや自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の分析が専門。著書も多数。

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