テレビとネットはどこまで仲良くできるのか

東京発「世界同時ライブ」番組の勝算

番組制作への強い想い入れからで悪意からではないのだろうが、今の世の中ではもう「テレビの上から目線」は通用しない。一般的にはいまだに地上波の影響力は小さくないといわれるものの、今はネットの発達、スマホの普及などによって視聴者・読者が多様なメディアに触れられるようになった。現在のテレビはユーザー目線で考えれば「数あるメディアの1つ」にすぎないからだ。

テレビ業界とグーグルの思想は意外と近い?

『東京EXTRA』の打ち合わせでグーグルの人たちと会話していく中、意外な発見があった。それは、世界最大級、最先端のネット企業の持っている考え方が、意外とテレビ業界に似ていることである。あくまでこれは筆者個人の感想でグーグルの人たちは別の解釈かもしれないことを断っておきたい。

テレビ業界は、番組を観ている視聴者が「どうすれば楽しんでもらえるか?」「どうすればわかりやすく伝えられるか?」を研究し、コンテンツ制作をする。つまり、受け手目線を重視している。グーグルの人たちも「どうすればユーザーがストレスなくサービスを使えるか?」「どうすればユーザーが見やすいサイトになるか?」など、ユーザーの利便性を真摯に考えている。テレビ業界と同じく、受け手目線を重視しているのだ。

ただ、テレビは不特定多数の人々に発信するマスメディア、グーグルはネットを介してさまざまなサービスを提供するプラットフォームという形態の差がある。そのため類似性に気づきにくかった。

もう1つ似ているところがある。テレビ業界は視聴者からは見えない「いろんな事情」と向き合いながらコンテンツを制作している。一方、筆者からは、グーグルもユーザーからは見えない“いろんな事情”と向き合っているように見える。

そして互いの“いろんな事情”はビジネスの交渉では問題点になることも多い。テレビ業界とネット業界の連携をする上で、互いの“いろんな事情”に対し「お互い大変ですね、上手くやっていきましょう」という気持ちを両者が持つことができればもっといろんな新しいことが実現できそうだ。

『東京EXTRA』はテレビ、ネット、広告など異業種の人々が同じチームで制作するコンテンツだ。うまくいくどうかはわからないものの、これまで正直言ってあまり仲良くはできなかったテレビ業界とネット業界の間にある壁を崩すきっかけになるかもしれない。

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