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ライフ #超訳 歎異抄

元銀行員の僧侶が解説、ビジネスパーソンの悩みに寄り添う『歎異抄』。700年前の仏教書に散りばめられた「生きるヒント」

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  • 安永 雄彦 西本願寺元執行長、築地本願寺元宗務長、グロービス経営大学院大学特別教授
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つまり、仕事や人生で行きづまったとき、「すべて自分のせい」と考えるのではなく、「大きな流れの中にいる」と受け止めることが大切なのです。
これらの考え方は、ストレス社会を生きる私たちにとって、大きな救いになります。

また仏教の根本には「縁起(えんぎ)」という考え方があります。仏教における「縁起」とは、あらゆる存在や現象が単独で成り立つのではなく、無数の要因(縁)によって生じ(起(おこ))るという原理を指します。

努力は大切ですが、その努力が報われるかどうかは、最終的には「ご縁」や「流れ」にゆだねられています。この考え方をもつことで、仕事や人生において「やるべきことをやり、それ以外は手放す」心の余裕をもつことができるのです。

これこそが、現代人にとっての「他力本願」の生き方なのではないでしょうか。

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現代のビジネスパーソンは、多くのプレッシャーと不確実性の中で日々の業務をこなしています。

業績目標の達成、上司や部下との関係、顧客対応、市場環境の変化など、仕事にはさまざまな要因がからみ合います。

しかし、そのすべてを自分の思いどおりにコントロールできるわけではありません。むしろ、自分の力ではどうにもならないことに執着し、悩むことでストレスを増大させ、適切な判断を下せなくなるケースも多いのです。

「自分ができること」に意識を向けることで、無駄なストレスを減らし、より生産的な仕事ができるわけです。

「コントロールできるものとできないものを見極めること」は、ビジネスパーソンにとって重要なスキルであり、心の安定を保ち、合理的な判断を下すための鍵となります。

この視点をもつことで、不確実な時代をしなやかに生き抜く力が身につくのではないでしょうか。

どう死と向き合うか

また、『歎異抄』は、「どう生きるか」だけでなく、「どう死と向き合うか」についても深い洞察を与えてくれます。

私自身、古稀(こき)の70歳を迎えました。かつてよりもずっと「死」と向き合う時間が増えたように思います。まわりで病を得たり、亡くなる人も増えました。

こんなときにも、「他力本願」「絶対他力」の教えに救われると感じる機会が多くなりました。

一生懸命に健康に気をつけていても、ガンになったり、事故にあったりします。どんなに努力をしたとしても、寿命を選ぶことはできません。自分の力を尽くすことは大切ですが、環境やご縁に感謝して大きな流れに身をまかすこともまた、大切なように思います。

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