筆者の現在の時刻認識は次のようなものだ。
まず、日本の時刻はまだ「11時」だと思っている。金融緩和は継続されるだろうし、PER15倍前後の株価は明らかな割高ゾーンには入っていない。
米国は12時半、中国は4時
米国は「12時半」だと考えている。利上げは未だだし、利上げ初回で大きく株価が崩れることはないかもしれないが、量的緩和を縮小してきた過程を「引き締め方向への動き」と考えると、初回の利上げでも大きなインパクトを持つ可能性がある。12時をはっきり回ったのかどうか断定は出来ないし、目下米国経済はおおむね好調だが、経済サイクルとしても株価的にも、ピークを越えた可能性がある。
中国は「4時」だ。昨年から本年初にかけて不動産価格の下落傾向に反して株価が高騰を続けていたが、おかしいのは株価のほうであったことが「チャイナショック」で分かった。
欧州は「7時半」だ。イタリア、スペインまでデフォルトに巻き込まれるかもしれないと思わせた最悪期は過ぎたが、南欧諸国の銀行が抱える不良債権が十分に処理されたわけではないので、本格的な信用拡大に向かう条件が整っていない。かつての日本のように、不良債権が長期的に経済の足を引っ張るかも知れない。
経済時計の3時と9時を結ぶラインから見て、米国は+2・5時間、中国と欧州を合わせると−2・5時間の高さにあり、海外の影響はおおむね中立だが、中国と米国が今後悪化していく可能性を考えると、日本株は天井が低いまま、一相場を終える可能性もある。
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