1万9200円台乗せが上昇反転へのシグナルだ 日経平均で注目しておきたい3つの分岐点
10月13日の日経平均株価は反落となったものの、戻り歩調の展開が続いているようにもみえる。年末に向けての一段高へつながるのか。そこでテクニカル面からみた3つの分岐点を探ってみた。
3つの分岐点とは?
①需給好転の分岐点は1万8770~1万9136円(8月~9月の戻り高値)
8月上旬のチャイナ・ショック(人民元切り下げ)を機に、日本株は急落した。8月下旬には上海総合指数が2900ポイント台、原油(WTI)が38ドル台、NYダウが1万5600ドル台とそろって安値をつけたあと、大きく反発した。その際、日経平均株価は8月と9月の安値が切り下がりながらも、リバウンドが2回入った。
チャート分析ではこの戻り高値が需給好転につながる節目とみなし、「上値抵抗線(レジスタンスライン)」や「分岐点(ネックライン)」とも呼んでいる。仮に同水準を上回ると、売り方のショートカバー(損失限定の買戻し)などが相場を一気に押し上げることも想定される。日経平均株価の8月と9月戻り高値が1万8770~1万9136円。今後はこのフシ目を上回れるかが注目される。
②長期投資家の損益分岐点は1万9136円(200日線)
市場にはさまざまな投資家が存在する。なかには超短期といわれるイントラ・デー(日中)で売買する、高頻度取引(HFT)を駆使したヘッジファンド、証券会社(自己売買部門)のディーラー、個人のデイトレーダーもいる。ここではチャート分析において、一般的な移動平均線からみたスパン(時間軸)で解説する。短期を25日線、中期を75日線、長期を200日線とし、移動平均線はそれぞれの投資家における損益分岐点ともいえる。
アベノミクス相場(2012年12月~)を振り返ると、日経平均株価が200日線を下回るケースは少なく、短期間にとどまる。足元の日経平均株価は200日線となる1万9136円を下回っている。長期投資家ですら評価損が発生しており、ろうばい売りや換金売りが一巡しつつあるとの見方もできよう。なお、長期トレンドを示す200日線の傾きは右肩上がりを継続、日本株の上昇トレンド(ジリ高)を示唆している。
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