プレイボーイ誌がヌードを「捨てる」ワケ

男性誌が肌の露出を控えて得るものとは

米プレイボーイ誌の編集幹部で、電子版の責任者のコーリー・ジョーンズ(Nicole Bengiveno/The New York Times) 

プレイボーイ電子版は、今年8月にすでにフルヌードの掲載をやめている。幹部らによればその結果、読者の平均年齢は47歳から30歳そこそこへと下がる一方で電子版へのアクセス数が急増。ウェブサイトへの月間訪問者数は1600万人から4000万人になった。

紙版のプレイボーイはこれまでよりすっきりした現代的な誌面デザインを採用する予定だとジョーンズは言う。最高コンテンツ責任者という肩書きをもつジョーンズは、電子版の責任者でもある。「今月のプレイメイト」のコーナーは残すが、写真は映画で言えば「PG13」(13歳未満は保護者の同伴が必要)程度のきわどさに抑えられる。「前より少し手を出しやすく、少しねんごろな感じに」とジョーンズは言う。袋とじを残すかどうかは決まっていないという。

性に関するコラムの筆者には「性に積極的な女性」を起用する意向だとジョーンズは言う。もうひとつの「伝統」である調査報道や突っ込んだインタビュー、小説は今後とも掲載を続ける。フランダースによれば、狙う読者層は都市部に住む若い男性だ。「弊誌とバイスの違いは、職に就いている男性を狙っているという点だ」とフランダースは言う。

酒の記事を増やすといった新たな変更点のなかには、広告絡みのものもあるとフランダースは認めた。主要な広告主の要望には応えなければならない。

リニューアルによって18〜30歳代のミレニアル世代という、出版元としては何としてもつかんでおきたい年代の関心を引くことができるかどうかについては、一部読者を対象に反応を確かめている。ビジュアルアート作家を作品とともに紹介する記事を載せるのも、若い世代はアート志向が強いという調査結果を踏まえてのことだ。

売上の半分はライセンス事業

プレイボーイ・エンタープライゼズは現在、売り上げの半分以上をライセンス事業から得ている。うち40%は、雑誌が売られていない中国からの売り上げだ。「プレイボーイ」ブランドの商品には、入浴用品や香水、衣類、酒、アクセサリーといったものがある。雑誌にヌードを掲載することは、こうした商品を買う消費者からの苦情、ひいてはライセンス商品の売り上げ減につながる恐れがある。

プレイボーイ・エンタープライゼズは1971年に上場したが、2011年にヘフナーと投資会社リズビ・トラバース・マネジメント(ツイッターやスナップチャットなどへの投資で知られるシリコンバレーの投資家スハイル・リズビの会社)が株を買い取って非公開化した。持ち株比率はリズビ社が60%以上で、ヘフナーが約30%だ。

雑誌の収支は、各国版を勘定に入れれば黒字だとフランダースは言う。だが米国版だけで見れば、年に300万ドルの赤字を出している。フランダースに言わせれば雑誌は「わが社にとっては5番街に出した店」のようなもので、赤字分はマーケティング費用に過ぎないという。

フランダースもジョーンズもプレイボーイの存在意義は今も失われていないと考えている。さまざまな社会問題に対するヘフナーのリバタリアン(自由意志論)的考えが受け入れられつつある今はなおさらだ。ヘフナーの女性観とそうした考え方は相いれないのではと問うと、フランダースは「(ヘフナーは)女性の姿の美しさを常に賛美してきた」と答えた。

「わかってもらいたい」と、ジョーンズはフルヌードの掲載取りやめについて語った。「心の中の12歳の自分は、今の自分にすごくがっかりしている。だがこれは正しい対応なのだ」

(執筆:Ravi Somaiya記者、翻訳:村井裕美)

(c) 2015 New York Times News Service)

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