「ナウシカ」も「ファイナルファンタジー」も! 尾上菊五郎が挑戦する新作歌舞伎のかたち。襲名後も「人生が豊かになる作品を作りたい」
神や自然、先祖への感謝をもって平和を祈る。神と人間と自然が一体となる精神性は、やはり日本に近しい気がします。
再演できたことも嬉しかったですね。初演時は宮城さんと話し合うなかで、インド哲学をわかりやすく提示するのではなく少しぼやかしてみようとなったのですが、再演時は一歩踏み込んで、迦楼奈がなぜ戦争に向かっていくのか理論立てて上演しました。
『風の谷のナウシカ』との"化学反応"
『風の谷のナウシカ』(2019年12月新橋演舞場)は、『マハーバーラタ戦記』の台本作成時から企画が立ち上がっていたんです。前の2作は題材を探すなかで出会ったものだったので、逆に自分が好きなものはなんだろうと考えた時に思い浮かんだのが、ジブリでした。
なかでも『風の谷のナウシカ』が一番好きで、現代に通じる普遍性があります。環境問題、戦争、遺伝子操作、AIなど壮大なテーマが展開する。それを歌舞伎としてやった時にどんな化学反応が起きるのか。歌舞伎の三大狂言に匹敵するテーマだからこそ、昼夜通しで成立させたいと思いました。


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら