「お母さんの言動がおかしい…」遠方に住む子どもたちが、“築40年5LDKの豪邸”を3カ月で《実家じまい》すると決めたワケ

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介護施設の場合も同様だ。

「受け入れ先の介護施設が手取り足取り片付けの手配をしていることもあります。だいたいのケースで費用は住人が払うことになるのですが、払えない場合は介護施設の職員が片付けることもあります。そうしないと入居できませんから。なんとかしたいという思いはありますが、私たちもボランティアではないのでできないこともあります。歯がゆい思いをすることは多いですね」

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見違えるように生まれ変わった1階のダイニング(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)

実家じまいは「前向きなもの」である

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半日がかりで片付けは完了し、実家は空っぽになった。その広さに驚いている長女の様子からもやはり、かなりの物量だったことがうかがえる。

「母は買い物が好きで、どこかへ出掛けたら店の人に対して“何か買ってあげないといけない”という気持ちになってしまうような人でした。やっぱり時代でしょうかね。モノの多さ=豊かさの象徴という風潮もあったんだと思います。

帰る場所がなくなるというのは寂しいです。でも、年老いた両親の姿を見ると、そんなことを言っている場合ではないですね」

 

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押し入れにモノが詰まっていた部屋もすべて一掃された(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)

実家じまいが終わったとき、寂しさが込み上げる一方で「肩の荷が下りた」と話す人も多い。しかし、実家がなくなった後も家族の生活は続いていく。

「実家じまいは終わりではなくスタートです」

そう二見氏は言う。実際、この家族も実家じまいをしたことで、離ればなれになっていた家族が再び一緒に暮らすことになったのだ。

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丁寧に仕分けし、壁もきれいに拭き掃除されたキッチン(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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片付け後の1階の部屋を見て、「高校生の頃を思い出す」と話した依頼者(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)
國友 公司 ルポライター

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くにとも こうじ / Kozi Kunitomo

1992年生まれ。筑波大学芸術専門学群在学中よりライターとして活動。訳アリな人々との現地での交流を綴った著書『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)が文庫版も合わせて6万部を超えるロングセラーに。そのほかの著書に『ルポ路上生活』(KADOKAWA)、『ルポ歌舞伎町』(彩図社)がある。

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