とくに多いのは、引き出物のようなギフト類と衣類。庭には植木鉢やガーデニング用品も転がっている。これは見た目以上に物量がありそうだ。
押し入れの中身を仕分けしながら、「イーブイ」代表の二見文直氏(以下、二見氏)が話す。
「やっぱりモノの量は押し入れが一番多いですよね。押し入れって“謎アイテム”の宝庫なんですよ。使わなくなったモノをとりあえず押し込んでしまう傾向があるんです。床にモノが散乱していたらゴミ屋敷に見えますけど、それをすべて押し入れに詰め込んでしまえば片付いているように見えてしまうんです」

住人に「ゴミ屋敷・モノ屋敷」の自覚がなくても、いざ実家じまいをするとなったとき、想定外の物量を前に立ち尽くしてしまうことがよくある。いたって普通の、強いて言えば生活感にあふれた実家には、実はかなりの量のモノが潜んでいるのだ。二見氏が続ける。
「家具や家電の数がどれだけあろうと、外に出してしまえばそれで終わり。物量にはそれほど影響しません。問題は押し入れやタンスなどの収納部分です。そこがモノでパンパンになっていると、仕分けをしたときに一気に膨らんでしまうんです」

突然、実家じまいに追い込まれた理由
この家にはつい最近まで高齢の両親が2人で暮らしていたが、突然「実家じまい」をすることになった。そのきっかけは母の緊急入院だった。今回、イーブイに片付けの依頼をした長女に聞いた。
「この家には両親が2人で暮らしていましたが、母が病気で入院せざるをえない状況になったんです。こっち(関西地方)で入院してもらおうとも考えましたが、私も妹も東京に住んでいます。この際、両親の面倒を姉妹で見ようという気持ちになり、2人を呼び寄せることにしたんです。“処分”という言い方はつらいですが、実家はもう誰も住まないので手放すことにしました」


無料会員登録はこちら
ログインはこちら