「オーケーの出店攻勢がエグい」「打倒オーケー」関西初進出から半年…激化した「関西圏スーパーの勢力図」は今どうなっているのか

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また、同社にはオーケークラブという会員組織があります。この会員組織は現金払いの場合、食料品(酒類を除く)が3%相当額割引になります。入会時にかかるのはカード発行費用200円のみ。細かい個人情報を入力する必要はなく郵便番号登録だけで入会できます。

気軽に入れる会員組織ということもあり、すでに会員は746万人(アプリ会員含む 2024年3月時点)です。高井田店ではオープン1週間で3000人が登録したといいますから、今後も継続利用したいというお客さんが多いことを意味しています。

オーケーにとってもキャッシュレス決済比率を抑えることができ、同社がカード会社へ支払う手数料も抑えられ、経費率を抑えることにもつながっています。

加えて、同社は毎日低価格であるとともに、競合店の特売価格がオーケーの通常価格を下回った際には同額まで値下げするという「競合店対抗値下げ」も仕組みとして持っています。

品揃えの幅自体は競合店のほうが多いのですが、仮に価格面で、特売で対抗したとしても、同じ商品なら競合店はオーケーに必ず同じ価格で並ばれてしまうのです。つまり、オーケーと価格だけで勝負するという「ハイ&ロー」のロー戦略では戦えないということになります。

関西のスーパーは価格競争から完全に脱して、各社が持つ本来の強みである「独自固有の長所」に磨きをかけるべきなのです。

多くの関西スーパーは中途半端なポジショニングだった

関西地区の食品小売企業を下記のマトリックスにまとめてみました。

【効率/非効率マトリックス(関西の食品小売業編)】

マトリックス
(筆者作成)

これまで関西地区には、効率やタイムパフォーマンスを徹底的に追求した小売業がほぼ存在しませんでした。低価格スーパーは今も数多くありますが、小規模スーパーが多く、効率は追求できていません。

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