グランドセイコーの人気文字盤「雪白」はセイコーエプソンの職人が生み出した。世界を魅了する名作誕生の舞台裏とは?
このモデルの誕生を支えたのが、長野県塩尻市にあるセイコーエプソンの「信州 時の匠工房」。エプソンはプリンターやプロジェクター製品で知られる。そのルーツは1942年に「第二精工舎」(現在のセイコーインスツル)の出資を受けて創業した大和工業に遡る。セイコーの協力会社として発足し、現在でもクオーツ式時計やスプリングドライブといった時計の製造を担う。
1999年、エプソンは「スプリングドライブ」と呼ばれる独自のムーブメントを発表。これは、機械式時計の駆動にクオーツの制御を融合させた独自機構で、滑らかな秒針の動き(スイープ運針)が注目を集めた。そして「スプリングドライブ」にふさわしい“顔”としての文字盤の開発もまた、大きな挑戦だった。
グランドセイコーには「厚銀放射ダイヤル」と呼ばれる白文字盤があり、肌なじみの良い上品な色味から「キング・オブ・ホワイト」とも称されていた。だが、2003年ごろ、「新しい白を作りたい」という声がセイコー社内で上がった。
デザイナーの久保進一郎さんは、自身が幼少期に雪国で目にした情景を思い浮かべていた。それは、降りたての柔らかな雪ではなく、風に吹かれ固まった雪のような、ざらつきと深みを帯びた白だった。
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