部下から慕われるリーダーと嫌われるリーダーの決定的な差。60代のトップが20代の若者から「教えを請う」ことの大切さ

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「山本さん、理想はわかるんだけど、そういうことは、僕らももうすでにやったことがあるんだよ」「一度、アメリカ人の社長を招聘したんだけど、すぐに辞めてしまって。やっぱり外国人はダメなんだよ」。

それからは二度と外国人の社長は任命していないとのことです。

「やったことがある」ではなく、必要ならば「やり切る」ことが重要なのです。過去の事実を謙虚に見つめていれば、同じ発議でも「なぜ失敗したのか」「やり切るにはどうしたらいいか」という建設的な議論になり得たと思いますが、会長の発言はそういう文脈ではありませんでした。

会長の発言の後、参加していた役員は、誰も発言をしなくなってしまった、そういう苦い思い出があります。

コンサルティングの仕事の中では、クライアントの社内では知見や経験のないことを外から持ち込みアドバイスする、ある意味教える立場に立つことがあります。クライアントは、コンサルタントが外から持ち込む知見に対して、報酬を払います。

しかし、コンサルタントは逆にその会社のことに関する知識は限定的であり、外から持ち込む知見がフィットするかどうかを判断するためには、社内の人から教えを請うことが不可欠です。そこで不可欠なのが、謙虚さです。

誤解を恐れずに言うと、教えることでお金をもらう立場の人間が教えを請わなくてはならないのです。謙虚さのない傲慢なコンサルタントは嫌われるだけではなく、結果を間違えることになるのです。

同時に、クライアントのマネジメントは、年齢的には若くても異なる経験値を持つコンサルタントに対し謙虚に聴く。その関係が成立して初めて、良いソリューションにつながります。

組織における上司もコンサルタントも、謙虚さが必要です。知識をひけらかし、上から目線で、常に自分の考えを語るだけの人より、厳しさはあっても、常に謙虚な他人から学ぶ姿勢を持った人のほうが成長し、視野が広がり、何より他人との関係性の中からお互いに学びあえる場をつくることができ、良い影響を与えるようになれるのです。

謙虚さを身につける

ビジネスの世界では、成果を追求しながらも、周囲との関係を円滑に保つことが求められ、その過程で謙虚さは重要な要素になります。

謙虚さを身につけることで、相手の意見に耳を傾け、相手を理解し信頼関係を築くだけではなく、自ら学びを得る機会を増やし、結果的に自己成長と成果の創出にもつながります。

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