山下健二郎、ELLY、白濱亜嵐… LDH俳優部門の躍進を支えた「女性執行役員」波乱万丈の足跡
その頃にはEXILEのAKIRAが『GTO』(フジテレビ系/2012年)で主演を務めるなど、LDH所属のアーティストがドラマの世界にも活躍の場を徐々に広げていた。近藤さんもドラマの関係者とのコネクションを築きながら、担当する女優のキャスティングを実現していった。
その仕事ぶりがまた評価され、2015年、近藤さんは5年ぶりに劇団EXILEのマネージャーに復帰する。鈴木伸之は『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS/2014年)の重要な役をオーディションで勝ち取り、町田啓太は『ドラマ10 美女と男子』(NHK/2015年)でヒロインの相手役に抜擢されるなど、5年前には無名だった俳優たちはスターへの階段を上り始めていた。
「劇団EXILEが勢いづいてきたタイミングだからこそ、バトンを受けた私がその勢いを止めてはいけないと、とにかくテレビ局や制作会社に足しげく通って営業に回りました」
近藤さんの地道な努力と、俳優たちのオーディションでの奮闘もあって、町田、鈴木、青柳翔など劇団EXILE所属の俳優たちの仕事は着実に増えていった。
俳優部門の部長に抜擢、新規営業に奔走
アーティストのイメージが先行していたLDHで、俳優部門を順調に拡大していった近藤さん。彼女に、さらに大きなチャレンジが待っていた。2018年、俳優部門の部長に抜擢されたのだ。
部長になってからの近藤さんは、現場マネージャーの仕事は部下に一任し、自身はいっそう新規営業に力を注いでいく。また、この頃から岩田剛典などアーティスト部門の俳優の仕事も担うようになり、担当する俳優は30人規模に達した。
「看板俳優だけでなく、あまり実績のない新人俳優も含めて仕事がいきわたるよう、全員のプロフィールを持ってテレビ局や制作会社を回りました。自分が仕事を獲ってこなければ、俳優たちの人生に影響してしまう。その責任感だけで駆け回っていましたね」
近藤さんが営業に回った汗の量に比例し、「LDHは俳優にも力を入れているんだ」との認知がテレビ・映画関係者にも広まり、俳優部門の仕事はさらに増えていった。そして近藤さん自身も、2022年にはLDHで女性初の執行役員に就任した。
近藤さんの貢献度を示す指標に、ドラマや映画での主題歌のタイアップの数がある。近藤さんが執行役員に就任し、さらに営業活動に専念できるようになってからは、それ以前の約1.5倍に増加した。これは、ドラマ・映画での主役クラスのキャスティングが増えたことをほぼ意味する。
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