山下健二郎、ELLY、白濱亜嵐… LDH俳優部門の躍進を支えた「女性執行役員」波乱万丈の足跡
「近藤さんに、ぜひ力を貸してほしい俳優がいるんだけど……」

2023年、近藤さんは知り合いのヘアメイクから相談を受ける。その俳優が水上恒司だった。
当時、水上はデビュー以来在籍した事務所から独立し、芸名も変更して再起を図ろうとするタイミングだった。以前から水上に俳優としての才能を感じていた近藤さんは、「ぜひ彼と仕事してみたい」と興味を抱く。でも、LDHの社員である以上、自分の一存では決められない。そこで、代表のHIRO氏に掛け合った。
「LDH以外の俳優も手がけることで、彼が主役を獲れれば、LDH所属アーティストの主題歌や楽曲提供につなげられるチャンスもあります。だから、やらせてください」
近藤さんの熱意を受け、LDHとの業務委託の形で近藤さんは水上の営業を担当することに。その後、水上は2024年には4本、2025年には3本の映画出演を果たすまでになったのは前編記事で述べたとおりだ。これらのキャスティングの陰に近藤さんの尽力があったことは言うまでもない。
「ギフテッド」の社名に込めた意味
LDHで女性初の執行役員を務めた後、「新たなチャレンジをしたい」と2024年末をもって同社を円満退社した近藤さん。2025年1月、エージェント会社「Gifted(ギフテッド)」を立ち上げた。
LDHとは業務委託で同社所属の俳優の営業窓口を続けながら、水上、齋藤潤、増子敦貴など、今をときめく俳優たちの新規開拓に奔走する日々を送る。
独立してエージェントの仕事に専念できるようになったことで、LDHの俳優部門におけるドラマや映画のブッキング数は着実に増えている。ドラマは2025年4月時点ですでに昨年度の数に匹敵する勢い。映画は昨年の獲得数を超えた。
「フリーランスになったことで、自分が本当にほれ込んだ才能のある俳優と一緒に仕事をしたいとの思いがこれまで以上に強くなり、仕事のモチベーションにつながっています。俳優の方々とは、将来ビジョンを一緒に考えられるビジネスパートナーでありたいですね」。近藤さんは力強く語る。
「ギフテッド」の社名には、「ギフト(個性や才能)ある人々とのご縁を大切にする」とともに「自分の仕事が、誰かのギフト(贈り物)になるように」との意味が込められている。
(一部敬称略)
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