山下健二郎、ELLY、白濱亜嵐… LDH俳優部門の躍進を支えた「女性執行役員」波乱万丈の足跡

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ダンサーといっても、主役を張れるクラスではない。「アンサンブル」といわれる、舞台でのバックコーラスやバックダンサー、エキストラなどがメインだ。彼らの多くはダンサーだけでは食べていけず、アルバイトと掛け持ちしていた。

「『このままダンサーを続けていいのか』『なんで会社はもっといい役をくれないんだ!』と、時には居酒屋にも行って彼らの悩みやグチをよく聞いていましたね」

東宝芸能で8年目を迎えた2009年、近藤さんに転機が訪れる。LDHが俳優部門のマネージャーの募集をしているのを偶然目にしたのだ。

当時のLDHといえば、EXILEが2007年の『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ)や2008年の『中居正広の金スマ』(TBS)に登場し、メディアでの露出が増えていた時期。2009年に弟分ユニットの「J SOUL BROTHERS」を新メンバーに加え、新たに14人体制で再始動したことも世間の注目を集めていた。

「EXILEに興味があったわけではなかったんです。でも、LDHは会社として成長期にあったし、いろんなことにチャレンジしていて面白そうだなと。私自身も30歳を迎えたばかりなので、いいタイミングだと思って転職を決意しました」

劇団EXILEの担当を半年で降ろされる?

2010年1月にLDHに転じた近藤さん。彼女に任されたのが「劇団EXILE・風組」のマネジメントだった。

劇団EXILEは、代表のHIRO氏の「TEAM NACSのような演劇をメインとしたエンターテインメント集団をLDHでも育てたい」との思いから、2009年に発足した俳優グループ。当時は「華組」と「風組」があり、華組は先にデビューして200人キャパほどの小劇場での舞台を中心に活動していた。

2010年3月に、第2弾のユニットとして風組がデビュー。後に「三代目J SOUL BROTHERS」に加わる山下健二郎とELLY、「GENERATIONS」に加わる白濱亜嵐、そしてオーディションを経て加入した町田啓太、鈴木伸之が当時のメンバーだった。ちょうどデビュー直前の彼らを、近藤さんは担当することになった。

左から白濱亜嵐、鈴木伸之、町田啓太(写真:アフロ)

今でこそ5人それぞれがスターとなっているが、当時はまったくの無名。単独公演できるだけの知名度はなく、華組の公演にゲストで出演させてもらうなどの地味な活動が続いた。

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