トランプによるウクライナ戦争の停戦交渉はなぜ失敗するのか、古典が示す世界で戦争が絶えない根本的な理由
国連や国際条約や法規に対する不満は、長く植民地の状態にあったアフリカ諸国に大きい。つねに国連という名の西欧に指導され、自国通貨もなく、自立した政府もない国がいまだに多い。彼らの不満が国連で採り入れられることはない。
この4月、欧米列強による政権転覆のクーデター計画が発覚したというブルキナファソのトラオレ(1988年~))政権などは、西側にとって国際法の外にあるのかもしれない。
西欧人ではなく、アフリカ人の目から見れば、世界の制度はきわめて不平等にできている。国際法は拡大していく西欧が自らの利益のために創りだした制度だからである。たとえそれが民主主義や人権という道義的な言葉で彩られていても、そうした価値規範を持たない国では無効ともいえるのである。
西欧から押しつけられた国際法という価値観
だからこそ、西欧列強は西欧的価値規範を拒否する国を「未開国」と呼び、国際法の外に置いた。治外法権という未開国扱いされた日本の明治政府は、未開国から文明国になることを急いだが、そのためには西欧的価値規範を日本人に植え込むことが必要であった。
しかしそんな離れ業に成功した国は、日本をおいてあまりない。多くはその国に長く続く宗教、歴史、制度があり、それがこれを困難にしたからである。
2025年5月9日、ロシアは第2次世界大戦の勝利80周年に当たり、多くの首脳を呼んで大々的パレードを行った。これはナチスドイツへの勝利だけでなく、ウクライナ戦争への勝利宣言でもある。
トランプはロシアとウクライナの停戦を画策して数カ月交渉を重ねてきたが、結局ロシアは一方的にウクライナと停戦交渉をすることになり、ウクライナはアメリカの提案も新たなロシアの提案も拒否し、徹底抗戦の構えである。
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